YS-11FC飛行点検機 最終フライトへ オリジナルエンジン搭載最後の1機 航空自衛隊

YS-11「ダートサウンド」もこれにて終了。

半世紀にわたって使用されたベテランの退役

 航空自衛隊入間基地で2021年3月17日(水)、飛行点検隊のYS-11FC飛行点検機の運用終了に伴うラストフライトが実施されました。

 YS-11は、太平洋戦争後に日本の航空業界が独力で開発・量産した唯一の旅客機です。航空自衛隊は1965(昭和40)年から1971(昭和46)年にかけて13機導入し、人員貨物輸送や飛行点検、航法訓練などの任務機として運用してきました。

 飛行点検隊では1971(昭和46)年からYS-11FCの運用をスタート、最盛期には3機保有していたものの、2015(平成27)年と2019年に各1機退役し、最後まで残った1機も2021年3月を持って運用終了を迎えることとなりました。

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ラストフライトのため入間基地を離陸したYS-11FC(2021年3月17日、柘植優介撮影)。

 日本国内においてYS-11は、民間航空会社を始め、海上自衛隊や海上保安庁、国土交通省などでも運航されていましたが、老朽化で21世紀に入り次々と姿を消し、航空自衛隊の人員輸送仕様(旅客機と同型)であるYS-11Pも、2017年5月29日をもって退役しています。

 そのためオリジナルのロールスロイス製ターボプロップエンジン「ダートMk.542」を積んだ純正の機体は、今回ラストフライトを迎えたYS-11FC(151号機)で最後となります。

 なお、航空自衛隊では、YS-11EAやYS-11EBといった電子支援などを行う機体も運用しているものの、これらはエンジンを高出力のT64-IHI-10Jに換装し、プロペラも3翔(FC含むオリジナルは4翔)になった、いわゆる「スーパーYS」と呼ばれる機体であり、性能やエンジン音などはオリジナルと大きく異なります。

 そのため、「ダートサウンド」と呼ばれるYS-11特有のエンジン音は、このラストフライトを持って終了となりました。

【了】

【写真】YS-11FCラストフライトの様子

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コメント

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2件のコメント

  1. この垂直尾翼!結構前に見かけて今になって正体を知りました…

  2. YS11沖縄社内慰安旅行に行った時乗った主翼の近くの座席に、飛行中翼が上下にバタバタと揺れていて凄いな~って記憶があります。