日高本線バス転換でどうなる? 全国「鉄道廃止→バス化」その後
日高本線の廃止転換に見え隠れする「思惑」 鉄道かバスかの二元論でいいのか
日高本線の廃止区間を受け継ぐ路線バスは、運行開始2か月前になっても、JR北海道から受け取る25億円強の拠出金をめぐる使用方針で議論が続いていました。バス路線の再編にも、それが影を落としているのか、自治体が作成した広域時刻表で静内~浦河間は運行する2社で別々に時刻表を掲載していたり、新設の特急「とまも号」と既存の都市間バスが同時刻に同じ停留所を通過していたりと、調整の余地はまだまだあるといえそうです。
また鉄道廃止区間から苫小牧へのバス乗り入れが強化されることで、日高本線の残存区間である苫小牧~鵡川間との競争も懸念されます。
鉄道とバスとでは、運行距離や運行に必要な人員・コストなども、考え方が大きく異なります。地域の交通手段を鉄道からバスへ、という流れのなかでも、近江鉄道(滋賀県)のように「バス転換より鉄道維持の方が低コスト」との結論から、上下分離(施設の管理と運行の主体を分離)で存続、というケースも出ています。思えば、日高本線の代行バスも現地だけで必要人員やバスの台数を賄えず、旅館を借り切って札幌から運転手を呼ぶなど苦心を重ねて維持されてきました。
交通のあり方は、まず利用する人々があってのもの。これからも各地域で検討されるであろう「鉄道からバスへ」の議論は、「鉄道かバスか」という2択の検討に時間を費やすよりも、まず「地域にどう合わせるか」をしっかりヒアリングすることから始めてもよいかもしれません。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
旧国鉄士幌線で早期にバス転換された区間なんて代替バスはもう帯広~旭川の都市間急行バス「ノースライナー」の1往復のみなんだよねぇ…。
二元論以外には例えばどんな方法があるのでしょうか
やっぱり日本の方だけあって「先に二択のハコモノ決定ありき」なんでしょうか?
やっぱり日本的なユーザー置き去り目線で「道具だけ適当に決めちゃえ」目線で掲示板に書き込んでるんですね?
その「お座敷」というお名前にとても日本の伝統を感じますね。ジャパニーズ・ハコモノ思考、ビューティフル!
一応関係する地域から見ても、転換バスのダイヤはひどい。。
所要時間の問題は代行バスでさんざん文句が出てたのにほぼ改善ないとか、路線図もどこが中心街かさっぱり分からないとか、自治体はこの5年間何やってたんだか?あと日高本線で残った苫小牧ー鵡川は実質死んだようなもんだし。
でもこれも、鉄道なら鉄道、バスならバスで、どう使うか議論してこなかったからだろうね。首長同士の話し合いばっかりしかしてなくて、意見聞きだしたのが直前になってからというのもお粗末すぎて。
そういう意味では、乗り物ニュースは二元論で「鉄道ガー!」「バスガー!」って道具の話ばっかりな読者層だろうし、よくこのサイトでこの記事載せたな・・・
ラストの「鉄道かバスかの二元論でいいのか」って聞いて
鉄道とバス(道具)だけ思い浮かべるか
「鉄道とバス」というサービスを作る過程を思い浮かべるか
で、人によって全然違う読み方になりそう
オタ具合を図るバロメーター…いや何でもないw
鉄道もバスも「線と点」に人が集まらないと乗客は増えない。
その線と点に人を集める方法から考えないと鉄道でもバスでも存続は難しい。