房総半島の丘に国鉄・私鉄車両ズラリ 畜産業が「鉄道28両の施設」に変わるまで

畜産業からポッポの丘に大変身…何があった?

 村石代表は、その後のポッポの丘の発展について次のように話します。

「鉄道車両を保有する保存会の方々より『ポッポの丘に車両を置かせてくれませんか』との連絡を受けました。売る肉牛もなくなって、自力では車両を増やせなくなったのですが、新しい保存車両が増えているのは保存会のおかげです。現在では6つの保存会が合計11両の車両をポッポの丘に置いています。一時期は無一文になりかけましたが、現在では募金と保存会の方々から寄せられる維持費によって、なんとか維持しています」

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「ポッポの丘」で保存されているいすみ鉄道いすみ204(安藤昌季撮影)。

 個人が始めた保存施設だけに特定の鉄道会社に偏ることがなく、車両を幅広くそろえているのが特徴です。当初はいすみ鉄道いすみ204、北陸鉄道モハ3752、万葉線デ7052(路面電車)の3両だけでしたが、現在では元国鉄の車両が非常に充実しています。

 国鉄特急形が24系寝台客車(オハネフ24形、オロネ24形、オハネフ25形)、183系電車(クハ183形0番台、1000番台)、近郊形が113系電車(クハ111形1000番台、2000番台)、通勤型が103系電車(クハ103形500番台)、キハ38形(キハ38形0番台)と、バリエーションが豊かです。

 また、特筆すべきは上記の旅客用車両以外にも、荷物電車(クモニ83形)、緩急車(ヨ5000形、ヨ8000形)、入替動車(10t、20t)が保存されていることです。

 私鉄についても、銚子電気鉄道デハ701、デハ702、長野電鉄モハ1003、京浜急行電鉄デハ1052、営団地下鉄454号、万葉線デ7052が保存されています。

 通常の鉄道車両以外も保存されています。千葉都市モノレール1000形や大山ケーブルカー「たんざわ号」がそれです。たんざわ号は斜面に置かれており、現役時代を彷彿とさせます。

【写真】寝台車・機関車・モノレール・ケーブルカー…「ポッポの丘」の車両を見る(19枚)

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