房総半島の丘に国鉄・私鉄車両ズラリ 畜産業が「鉄道28両の施設」に変わるまで
どのようにして保存費用を確保しているのか
ポッポの丘は「車両を商用施設とすることで、保存費用を捻出している」ことも特徴です。例えば、元いすみ鉄道のいすみ204、北陸鉄道モハ3752は「カフェTKG」として、たまごかけごはん(TKG)や牛丼などを供するレストランとして使われています。ここの米は地元のいすみ米で、こだわりの飼育で育てられた鶏の卵を使った料理との相性は抜群です。
他にも元万葉線のデ7052はガチャポンショップ、元千葉都市モノレール1000形1003号はプラレールなどを扱うショップ、元国鉄のキハ38形1号車やヨ5000形緩急車はギャラリーとして使われているなど、保存車両をただ見るだけではなく、買い物も楽しめます。
動態保存車両があることも特筆すべきことです。元国鉄の10t入替動車と20t入替動車が動態保存状態で維持されており、天気の良い土日には、入替動車に牽引された緩急車に乗車できます(運行時間は決まっておらず、入替動車のクラクションで運行を合図します)。緩急車とは、かつて貨物列車の最後尾に連結され、車掌が乗務していた車両ですが、動く現役はここだけでしょう。
土日の楽しみはもう一つあります。村石代表かスタッフがいる場合のみですが、24系寝台客車オハネフ24形、オロネ24形の車内公開が行われることです。この2両については、車内照明と車内放送設備が使用できる状態で保たれています。オハネフ24形の車掌室から車内に向けて車掌としての放送体験を行うことも可能です(本物の寝台列車で流されたものと同じ放送原稿や、記念撮影用の車掌帽も用意されています)。
この寝台客車2両を牽引しているDE10形ディーゼル機関車についても、寝台客車と合わせて運転台を公開することもありますので、非常に“鉄分の濃い”時間を過ごせます。
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