「座れる有料列車」堅調 通勤はお金かけて密回避の時代に? 本数増には課題も

通勤のあり方が変わり、密を避ける動きのなか、「座って通勤」が可能な有料列車が堅調です。この需要に高速バスが参入する動きも。しかし、どちらも本数増には課題を抱えています。

「座れる列車」もっと増やせない?

 6月から八王子~新宿間で高速バス「通勤ライナー」の運行を開始する西東京バスによると、多くの人が通勤定期を持たず、実費精算に切り替えるようになったことも商機だといいます。

「通勤手段が『選ばれる』時代です。たまに通勤する際に、直通の高速バスで乗り換えや混雑を避けて移動できるという、時間の新たな価値を提供します」(西東京バス)

 これら有料サービスは収益のうえでも、鉄道やバス事業者を大きく助ける可能性を含んでいます。しかし、大幅な増発や増強には、鉄道・バスともに課題があります。

 西東京バス「通勤ライナー」の場合、始発地の出発時刻は朝4時台、新宿着は6時48分と、かなり早めです。これより遅くなると、中央道の渋滞が始まり定時性の確保が難しくなるといいます。

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八王子~新宿間の「通勤ライナー」を運行する西東京バスの車両(中島洋平撮影)。

 鉄道もまた、有料列車の本数を増やすことには困難が伴います。特に朝ラッシュ時などは、有料列車の前後の列車が混雑する傾向があるからです。

 京急の担当者は、「減ったお客様をいかに増やすかに試行錯誤しています」といい、有料列車の増強もその一環ではあると話します。しかし「第一には、安心して乗っていただける取り組みが重要」とのこと。

 バスも含め、各社が車両や駅の消毒などを徹底し、抗菌・抗ウイルスコーティングなどを行っています。加えて京急の車両では、全車、暖房時も外気導入が可能な仕様に改修しているのだとか。

 というのも、冷房時はエアコンで外気を導入して換気ができるものの、「以前は暖房で喚起しながら運転していると、『冷房が入っているのか』というご意見もあったことから、外気導入にしていませんでした。しかしいまは、暖房時も換気することが常識になっていますので」ということです。

 有料列車は収益性も高く、安心して乗ってもらう取り組みのひとつではあるものの、「それだけに注力することもできません」と京急の担当者は話します。

【了】

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