取り締まり目的でも他国船へ勝手に乗り込んでいいの? 海のルール 国際法の原則と例外

太古の昔より海の上には国際的なルールが作られて来ましたが、例えば公海における他国の船や国籍不明船による不法行為は、誰が、どのような根拠で取り締まるのでしょうか。最新の事例からそうした海の上のルールを解説します。

今回の「モンテレー」の取り締まりは「合法」

 今回の「モンテレー」の事例では、対象が無国籍船舶だったということが明らかにされています。

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アメリカ海軍の駆逐艦「ラッセル」に乗艦しているアメリカ沿岸警備隊による臨検の訓練の様子(画像:アメリカ海軍)。

 アメリカ海軍省が作成し、その国際法に関する考え方などが示されている「指揮官のための海軍作戦法規便覧」によれば、無国籍船舶とは「一国による正当な登録を受けていない」船舶を指すとされていますが、さらに、「対象船舶が船名や旗などを掲げていない場合」「呼びかけに対して船長が国籍や登録に関する主張を行わない場合」「主張されている国籍が当該国によって否定されている、あるいは確認が取れない場合」「複数の国籍を主張している場合」などでも無国籍船舶とみなされます。

 こうした無国籍船であれば、そもそもその船をどの国も管理していないことになるため、すべての国が権限を行使することができると整理されます。そのため、今回のケースのように対象船舶へ乗り込んで武器を押収することができる、というわけです。

 世界最強といわれるアメリカ海軍も、その行動は国際法に合致するような形で行われています。それこそが、世界一流の海軍の証といえるわけです。

【了】

【写真】冗談ではない! 「モンテレー」が押収したシャレにならないほど大量の武器

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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コメント

1件のコメント

  1. 運んで、撮影用に展示して、しまうのに手間がかかるよな。

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