旧ソ連の「米ダグラスそっくり機」列伝 始まりはソ連版DC-3 共産圏の独自設計機たち

日本では馴染みは薄いものの、実は自国で旅客機を多数生み出す「航空大国」だった旧ソ連。なかには、米の名門、ダグラス社の旅客機に瓜二つのものが存在します。ソ連製DC-3完成から、その後のそっくり機誕生の経緯までを見ていきます。

ダグラスターボプロップそっくり機 でも違いも

 あまりにルックスが似通っていることから、ソ連版「ダグラスDC-4」とも言うべきイリューシンIl-18は、DC-4よりあとに開発されたモデルということで、先進的な面もあります。

 この機では、イリューシン設計局として初めて、現代のプロペラ旅客機で一般的となっている「ターボプロップ・エンジン」を搭載しました。これは、DC-4やDC-6で搭載されている「レシプロ・エンジン」よりもパワフルで軽く、メンテナンスもしやすいエンジンといえるでしょう。

 IL-18は700機近くが作られ、ソ連からアフリカ、南アメリカ、極東などへの路線に投入されたほか、東ドイツのVIP機としても使用されました。また、耐久性の面でも非常に優れた旅客機としても知られており、アジアでは、2000年代になってもなお使用されていたといった記録も残っています。

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イリューシンIL-18のイメージ(画像:ausdew[Public domain〈https://bit.ly/3weApHH〉])。

 その後1960年代に入る頃から、世界では、ジェット旅客機がデビューし、時代を席巻するようになります。当然イリューシンを含めたソ連の航空機メーカーも、この潮流に乗りました。このときも、ソ連で、欧米産の旅客機の「そっくりさん」が生み出されることになるのですが、そのお話はまたの機会としたいと思います。

【了】

【いくらなんでもそっくりすぎ】ソ連製DC-3 「Li-2」などなど

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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コメント

1件のコメント

  1. Li-2は大韓航空ジャンボジェット撃墜事件のとき、日本のTV局のレポート中に威嚇するが如く低空をフライパスしていたのが印象深い。

    そういう機体があったことは何かで聞いていたが稼働していたのに驚いた。

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