「そんな場所でエンジン外すの!?」海空自衛官も驚嘆 ほぼ特殊能力な陸自の“野”整備隊
野外では何でもできることが必須
陸上自衛隊のヘリコプターにも、航空自衛隊の戦闘機と同じように、機体ごとの整備責任者といえる「機付長」が付きます。
しかし、陸上自衛隊の機付長は、整備だけでなく、航空機に燃料を補給し、戦闘もこなし、料理も作って、さらには人員輸送にも従事するなど、一人でいくつもの役割を担っているのが特徴といえるでしょう。
いうなれば、海空の両自衛隊とも、それぞれ専門に長けた「スペシャリスト」を養成するのに対し、陸は「マルチプレイヤー」を育成するとでも言えるのかもしれません。ときには器用貧乏のように思えることもありますが、それらの部隊や装備、人員を野外でも整備できるように常日頃整えたことは、過去の災害派遣でも役立っているようです。
一例を挙げると、2004(平成16)年のスマトラ地震の際に派遣された国際緊急援助隊は、航空機の整備能力がないおおすみ型輸送艦「くにさき」の艦上において、CH-47J大型輸送ヘリコプターの整備と運用を行うことができました。
支援環境のない野外整備は訓練や教育なしにできることではありません。長い年月をかけて訓練を行うことで初めてできることであり、「いざ」という時に備えているといえるのではないでしょうか。
【了】
Writer: 斎藤大乗(元自衛官ライター/僧侶)
木更津駐屯地で5年間ヘリコプターと共に暮らした元自衛官。自衛官時代の経験を生かして雑誌やアニメに登場するヘリコプターの監修を行う。現在は実家のある日本最北の礼文島で僧侶をしながら記事を書いている。
「ジェネラリスト」ではなく「マルチプレイヤー」ですか。
「スペシャリスト」の対義語を「ジェネラリスト」と習った身には新鮮でした。
海空ではあまり聞かないんだけど、陸は三幕でマウント取りたがる人多いよね。なんでだろ。。。