引退した西武「レッドアロークラシック」 基となった「レッドアロー」ってどんな車両?

1両ごとに変えていた座席の色

 10000系は7両編成ですが、5000系が登場した当初は4両編成でした。車両ごとに座席のモケット(布地)の色を変え、飯能方の先頭車から緑、赤、オレンジ、青の順番となっていました。

 1974(昭和49)年には6両編成の増備車が登場。増備車ではモケットがオレンジ色の簡易リクライニングシートとなり、4両編成の車両も6両編成化に合わせて座席が交換され、6両とも同じ色に揃えられています。

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地上時代の大泉学園~石神井公園間を行く5000系「レッドアロー」の特急「ちちぶ」(1990年9月17日、伊藤真悟撮影)

 5000系のリニューアルは1987(昭和62)年頃から行われ、座席のモケットが青色のリクライニングシートとなり、カード式の公衆電話も設置されました。

 ところで、現在の西武鉄道の特急では、運行途中で連結や切り離しをすることがありません。しかし、5000系が4両編成で使用されていた頃は、4両編成を2本組み合わせた8両編成で運転されることもあったほか、6両編成化の過渡期では4両編成と6両編成を連結した10両編成も運転されたこともあります。その後、すべての5000系が6両編成になると、連結する機会もなくなっています。ちなみに、登場当初は101系電車との連結も想定されていたそうです。

足回りは通勤車両

 見た目こそ完全な特急車両だった5000系ですが、走行するための機器は通勤車両と同じものを使用して作られました。5000系と同時に登場した101系と同じ台車やモーター、制御装置を搭載していました。

 5000系ができた当時、西武鉄道では特急の運転が初めてだったこともあり、特急の利用が見込めるかが分からない状況でした。もし、特急利用が見込めなかった場合は、車体を取り替えて通勤車両に作り変えるという考えもあったそうです。

 5000系は登場から20年ほど西武鉄道で活躍しましたが、10000系「ニューレッドアロー」の登場により、1995(平成7)年に引退しました。5000系で使用された走行機器は、10000系の増備車両にも活用されています。

【写真】101系、10000系「ニューレッドアロー」と並ぶ5000系「レッドアロー」

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コメント

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1件のコメント

  1. 外観は「昭和な国鉄に影響受けた車両」って
    感じだと思っていたのですが、
    遊び心に満ちた車両だったのですね