引退した西武「レッドアロークラシック」 基となった「レッドアロー」ってどんな車両?
地方鉄道に渡った「レッドアロー」
「レッドアロー」こと西武鉄道5000系は、1978(昭和53)年までに6両編成6本の36両が作られましたが、西武鉄道での引退後は、そのうちの6両が富山地方鉄道に譲渡され、現在でも現役です。
譲渡といっても、走行機器は前述のように10000系「ニューレッドアロー」に流用されてしまいました。そのため、5000系の車体だけが富山地方鉄道に渡り、富山地方鉄道側で走行機器を調達。台車やモーターなどの機器はJRの485系特急形電車から、ブレーキ装置は地下鉄日比谷線の開業時から使用されていた3000系から、それぞれ調達されています。そのほか、京浜急行電鉄や東京都交通局(都営地下鉄)で使用されていた機器も活用されています。
1995(平成7)年に富山地方鉄道の16010系としてデビューを果たし、当初は3両編成で使用されました。2005(平成17)年にワンマン運転を行うべく2両編成となり、多客時には中間車を連結して3両編成となるように改造されています。また、2011(平成23)年には1編成(第2編成)が水戸岡鋭治さん(ドーンデザイン研究所)のデザインでリニューアルされ、「アルプスエキスプレス」として運転されています。
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「レッドアロークラシック」は引退してしまいましたが、初代の「レッドアロー」は現在も富山で活躍しています。また、5000系のクハ5003は解体を免れて横瀬車両基地で保存されているので、イベントの際に見ることができるかもしれません。
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Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。
外観は「昭和な国鉄に影響受けた車両」って
感じだと思っていたのですが、
遊び心に満ちた車両だったのですね