あおり運転厳罰化から1年 効果アリ? 超危険「高速道上で停車」いまだ発生

「厳罰化」の効果はいかに?

 法改正後は妨害運転罪の適用が進みました。施行から半年後にあたる2020年12月末時点では、妨害運転罪による検挙数は全国で58件。うち、最大で懲役5年の刑に処せられる「著しい交通」の危険を生じさせたと認められたケースは17件でした。

 妨害運転罪が全国で初めて適用されたのが、2020年7月に東京都府中市の中央道で車両を停車させた事案でした。このように高速道路の本線上で駐停車した事案5件はすべて「著しい危険」として扱われています。

 では、法改正はあおり運転の防止に効果を上げているのでしょうか。損保ジャパンはこれについて、「車間距離不保持容疑」などの取締り件数を挙げます。

「2019年の取締り件数は1万5065件で、前年比16%の増加でしたが、(法改正を経た)2020年の数値は1万3062件、前年比で13%減となりました。この数値から、厳罰化が一定の効果を挙げたといえるでしょう」(損保ジャパン)

 なお、妨害運転罪で検挙された58件のうち、実に9割以上でドライブレコーダーの映像が残っていたそうです。あおり運転が社会問題になって以降、いかにドライブレコーダーが普及したかが伺えます。

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あおり運転の被害を受けた際、相手が追ってくることもあるので、警察が来るまでドアをロックし、車外に出ないことも呼び掛けられている(政府インターネットテレビの動画より)。

 ただ、そのぶん「予期せず自分が加害者になる可能性も高まっています。無意識にあおり運転しないことが重要です」(損保ジャパン)とのこと。車間距離をしっかり確保する、追越車線を長く走行しない、早めに道を譲る、ウインカー類を早めに出して後続車にアピールするといった、あおり運転対策として言われている行為の一部は、自分が加害者にならないことにもつながるかもしれません。

 ちなみに、2020年10月には、埼玉県桶川市の一般道において、自転車で故意に反対車線上に飛び出すなどしていた「ひょっこり男」にも妨害運転罪が適用されています。これは全国初の自転車における摘発でした。

【了】

【意外と多い?】あおり運転経験者の数と被害内容

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コメント

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1件のコメント

  1. 厳罰化で抑えられるのはイキった一般人だけ。
    本当にヤバい種類の人間は抑止できません。