戦車はもう不要なの? 台頭する無人兵器 英は生産終了…「陸戦の王者」今後のあり方は

新型戦車の開発はいまなお世界中で

 一方、2018年6月11日から開催された「ユーロサトリ」兵器展示会に、ドイツの「レオパルト2」の車体にフランスの「ルクレール」の砲塔を載せた「ヨーロピアンメインバトルタンク(EMBT)」という合体戦車が展示されました。PR展示用のフェイクかと思いきや、メーカーのKNDS(KMW+Nexter Defense Systems)は大真面目に造っていました。しかも単なる静態展示品ではなく、実際に走って、撃ってみせる動画も配信され、戦車として機能することを示しています。

 KNDSはその名の通り、ドイツの「レオパルト2」のメーカー、クラウスマッファイ・ヴェクマン(KMW)と、フランスの「ルクレール」のメーカーである国有企業、ネクスターシステムズとの合弁事業です。

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「レオパルト2」と「ルクレール」の合体戦車、ヨーロピアンメインバトルタンク(EMBT)(画像:KNDS)。

 このレオパルト/ルクレール合体戦車のEMBTは、将来のヨーロッパ標準を目指すドイツ/フランス主要地上戦闘システム(MGCS)プログラムのPRでした。ドイツの「レオパルト2」は2021年のいまでも中古車市場で人気のベストセラー戦車、フランスの「ルクレール」は最初からデーターリンクシステム(ベトロニクス、車輌電子工学)を装備して設計されたデジタル戦車の先駆けです。

 ネクスターの装軌(いわゆるキャタピラ)車プログラムの責任者であるフランソワ・グロシャニー氏によれば、EMBTはパワフルな「レオパルト2」のシャシーと軽量な「ルクレール」の砲塔を組み合わせることで、非常に高い能力を備えたといいます。

 実は「レオパルト2」には砲弾の自動装填装置が装備されておらず、このため装填手が必要で乗員は車長、操縦手、砲手とあわて4名だったのですが、「ルクレール」はもともとこれを装備しているので装填手は不要であり、砲塔内乗員は1名、よってEMBTの乗員は車長と操縦手合わせ3人でよいとのこと。さらに、「レオパルト2」の砲塔より約6tも軽量になったといいます。両メーカーの長所を組み込んだ、ヨーロッパ標準戦車のモデルという触れ込みでした。

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「レオパルト2」の車体に「ルクレール」の砲塔を載せる作業中(KNDSのYouTubeチャンネルより引用)。

 MGCS開発は2012(平成24)年から着手されていましたが、KNDSが設立されたのは2015年12月15日です。EMBTの展示はMGCSプログラムの本格始動アピールと、2015(平成27)年に登場したロシアの新型戦車T-14「アルマータ」を意識していることは間違いありません。戦車の新車を製造しているのはロシア以外にも中国、日本、韓国、トルコなど国産、純国産を含めるとまだいくつも残っていますので、ヨーロッパ先進国が戦車製造を止められないわけです。

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