戦車はもう不要なの? 台頭する無人兵器 英は生産終了…「陸戦の王者」今後のあり方は

戦車はその誕生以来、常に「対抗手段」と共にあったといえるでしょう。対戦車ミサイルなどの対抗手段が登場するたび戦車不要論は囁かれてきました。無人兵器の台頭で改めて不要論が浮上する昨今、いよいよその命脈は尽きるのでしょうか。

どれほど最新鋭でも必ず「時代遅れ」になる戦車

 2021年現在の安全保障環境は、戦争と平和という単純に区分けできる時代は終わり、競争と紛争のグレー時代だといわれます。戦車や戦闘機のような旧来兵器を使う交戦はなくても平和ではなく、宇宙、サイバー、宣伝戦が常時、行われています。

 しかし旧来の兵器が時代遅れで不要になったということはありません。兵器にはそれぞれの役割があり、組合せがより多次元複層になっただけです。「戦車はディナージャケットの様なものである。いつも必要なものではない。しかし必要な時に他のものでは対応できない」――2019年にオーストラリアの調達担当官が戦車について出したレポートは、的を射ていると思います。

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EMBTの主砲実射テスト(KNDSのYouTubeチャンネルより引用)。

 戦車生産を放棄してしまったイギリスでは、早まったことをしたという反省は聞かれません。むしろMGCSへ関心を示して、将来的にこのプロジェクトに絡もうと画策しています。冷徹に国防と資本の論理のバランスを取っています。

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ラインメタルがMGCS用に開発中の130mm砲を装備したデモンストレーター(画像:ラインメタル)。

 MGCSには現用戦車より大口径の、130mmから140mmの砲を搭載することも検討されており、2035年に生産開始、2040年に完全作戦能力獲得を目指しています。どのような形になるのかは分かりません。しかし技術革新のスピードは速く、兵器は常に時代遅れというのが通例で、時間のかかる戦車開発は未来を予測するギャンブルのようなものだとさえいわれます。

 2035年ごろには、本当に戦車は不要になっているかもしれません。しかし、それが平和な時代を意味しているのかは別問題です。

【了】

【写真】アゼルバイジャン軍のドローンが捉えた敵戦車車列と撃破の瞬間

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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