機長「まだピカピカなのに…」 ANAの777-300ER「JA780A」離日 コロナに見舞われた長距離フラッグシップ

これで退役ラッシュもひと段落となりそうです。

飛行時間約約5万9678時間、着陸回数6440ササイクル

 ANA(全日空)で運用されていたボーイング777-300ER「JA780A」が、2021年7月15日(木)午前9時前、同社退役にともなうフェリーフライト(回航)のため、羽田空港を出発しました。

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羽田空港を出発するJA780A(2021年7月15日、乗りものニュース編集部撮影)。

 JA780Aは、2007(平成19)年にANAに導入され、おもに北米線や欧州線などの長距離国際線を担当してきました。客室はファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4クラス、計264席が設定されています。最後の商用フライトは、3月28日のフランクフルト発成田行きNH9656便。このときは旅客機を用いた貨物便として乗客をのせずに運航されました。

 ANAによると、同機の飛行時間は約5万9678時間で、着陸回数は6440サイクルとのこと。フェリーフライトを担当するパイロットも「寂しいの一言です。本当にいい機体で思い出もあります。この機体をはじめとする777-300ERは、長距離国際線で、太平洋を超えていろんな景色を見せてくれました。今回退役となってしまいましたが、まだピカピカの飛行機です」と話します。

 ANAでは新型コロナウイルス感染拡大にともなって、保有する旅客機の体制を見直し、固定費の削減を図っています。20年から25年使用されることが一般的な旅客機市場で、導入からわずか約14年での退役となったJA780Aも、この一環と見られます。コロナ禍で2020年度をもって運用から外れた同社の777-300ERは全13機。うち12機はすでに日本を離れており、このJA780Aがここに含まれるラスト1機となります。そして数か月続いた、ANA国際線のフラッグシップ機の離日ラッシュも、これで一区切りを迎えそうです。

 JA780Aは、羽田空港を出発後、ホノルルを経由し、多数の飛行機が安置されている米カリフォルニア州のモハーヴェ空港に向かいます。

【了】

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