自衛隊や米軍も重用する「カワサキ」とは? 米軍はディーゼル仕様も 二輪ならではの戦術

アメリカ軍は様々な場面でカワサキのバイクを採用

 アメリカの軍隊では日本メーカーのバイクが多数採用されています。ホンダでは「CRF450」、スズキは「DS80」など。カワサキ製のバイクは3台がベース車両として使われています。

・KLX110

 日本の陸上自衛隊と同じKLXシリーズながら、より小型なのが「KLX110」です。これは、アメリカ空軍の特殊作戦部隊が主に使用しており、C-130J「スーパーハーキュリーズ」輸送機の誘導などで用いられています。KLX110はもともと、子供でも乗れる入門的なバイクとして2001(平成13)年に販売されたものですが、アメリカの大柄な兵士もしっかり乗りこなします。

Large 210813 kawasaki 02

拡大画像

東日本大震災で被災した仙台空港でもアメリカ空軍特殊戦術中隊のバイクが活躍した(画像:アメリカ空軍)。

・KLR250

「KLR250」は約30年前、1984(昭和59)年からアメリカ軍で採用されています。「KLX」シリーズと名前が似ていますが、大きな違いは、「KLR」シリーズはデュアルパーパスタイプ、つまり完全にオフロード専用として開発されている点です。

 アメリカ軍では敵部隊の偵察や、伝令(連絡)、少量の補給物資を運ぶなど、日本の偵察用オートバイと近い働きをしています。さらに、衝撃を吸収する特殊な道具を使うことで、輸送機からのパラシュートによる空中投下にも耐えるそうです。

・KLR650

「KLR650」はKLR250の大型版をベースとした車両で、アメリカ軍は改造のうえ「M1030」として使用しています。市販車との最大の違いは、M1030はディーゼル燃料や灯油、さらにはジェット燃料でも走れるようになっていること。海外の様々な場所で戦うアメリカ軍にとっては、エンジン構造をガソリンではなく、軍用車両で多用されている多燃料ディーゼルにする方が使い勝手が良いようです。

 日本のみならず海外でも採用されているカワサキのバイクですが、冒頭のKLX250は2016(平成28)年に生産が終了しているほか、他モデルも排ガス規制などで姿を消す可能性もあります。今後はどんな「軍用車両」としてのバイクが誕生するのでしょうか。

【了】

【カワサキ隊!】陸自の偵察オートバイのお仕事 画像でチェック!

Writer: 山崎大悟

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

4件のコメント

  1. KLRはデュアルパーパス(オンロードとオフロードの両方を目的)、
    続けて完全にオフロード専用とおっしゃてますが、
    オフロード専用はKLXと思われます。
    専門家へのご確認をお願いします。

    • 同意。
      "dual"「二つの」 "purpose"「目的」の意味を考えれば
      矛盾してることに気づくと思うが。
      中学生レベルの英単語

    • なんつうか、カタログだけ見て書いた記事という感じ。
      実際にバイクに乗ったことすらない人なのかな?

  2. アメさんも使ってんだな…
    と思ったけど排ガス規制の話でオチが付いたか…
    軍民共にどんどん単車の車種が減っていく。