白ナンバー業務車の飲酒チェック義務化へ トラック以外も 車を使う事業所に大きな影響
千葉県八街市で起きた白ナンバーのトラックによる飲酒運転死傷事故を受け、警察が具体的な対策を打ち出しました。「安全運転管理者」の専任を徹底し、その使用責任を問う方向で、複数台のクルマを使う事業所に大きな影響を及ぼしそうです。
白ナンバートラックの飲酒チェック「義務化」まで踏み込む
棚橋泰文国家公安委員長は2021年8月20日(金)の会見で、白ナンバーの業務車を複数台扱いながら、安全運転管理者が未選任である事業所の把握に、警察の自動車保管場所証明、いわゆる車庫証明を活用し、確実な選任を促す方針を明らかにしました。運転者の運転前後にアルコール検知器を用いた酒気帯び有無を確認し記録する「義務化」についても、具体的に言及。警察庁は必要な省令改正のできるだけ早い実施を目指しています。
2021年6月29日に千葉県八街市で小学生5人が死傷した飲酒死傷事故をきっかけに、白ナンバーの車両を所有する事業所の運転管理が改めて問われています。加害者は、有償で顧客の荷物などを運ぶ「緑ナンバー」ではなく、会社が自社の荷物を運ぶ「白ナンバー」(自家用貨物)のトラックでした。
加害者の運転者は運転中の飲酒で居眠り運転をした危険運転致死傷罪の容疑で起訴されましたが、運転者を雇用する企業責任にまでは至りませんでした。白ナンバーのトラックを規制する道路交通法令では、「安全運転管理者」を選任して飲酒の有無を確認することが義務付けられているものの、その具体的な方法について定められていなかったためです。
棚橋泰文国家公安委員長は20日の閣議後会見で、この対応について次のように話しました。
「飲酒運転の根絶が当然のことながら大切で、その背景にある使用者対策を強化するために、安全運転管理者が実施する業務の内容を充実することを考えていくという視点で、警察庁において運転者の運転前後にアルコール検知器を用いた酒気帯び有無を確認し記録すること。これを白ナンバーの安全運転管理者が実施しなければならない業務として新たに付け加えることを検討している」
警察本部と警察署が連携して「安全運転管理者」が年1回必ず受講することになっている講習の中で、検知器チェックの義務付けや、飲酒チェック方法の周知徹底を図るということです。
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