旅客機はなぜ空中衝突しないの? クルマの先行く自動化技術は空飛ぶクルマにも応用可?

開発が進む「空飛ぶクルマ」は、「他機と衝突せず、安全に目的地までたどり着けるか」が課題のひとつです。これに関わるのが、航空分野の「自動操縦」と「衝突回避システム」の歴史。そこから実現の可能性を探ります。

コクピットにも存在「衝突回避システム」

 そのため、旅客機にはTCAS(空中衝突警報システム)という衝突防止装置の設置が義務付けられています。

 実はこの装置、当初から取り入れていたわけではなく、必要性が認められたのは、実際に旅客機の空中衝突事故が起こってしまったことにあります。1980年代後半にこの装置の実装が義務付けられたのですが、実は実装までには、数十年かかりました。

 TCASの基本的なシステムは、自機からの情報を電波で出し、その周囲にいる他機が、それに呼応して情報を交換するものです。また、前方だけでなく機体全周に情報交換が可能ですが、それに応える他機がTCASを装備していない場合、この機能をフルに活用できません。

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エアバスの最新鋭機のひとつ、A350のコクピット(乗りものニュース編集部撮影)。

 こういった旅客機のノウハウを「空飛ぶクルマ」では応用し、安全性の高い運航を実現すると見られます。また旅客機とくらべ、移動速度、移動距離、高度ともに低く、視界も運動性もよさそうです。

 一方で、長年かけて築き上げられてきたジェット旅客機の運航システムを、そっくりそのまま「空飛ぶクルマ」に活用できるとは、まず考えられません。また「空飛ぶクルマ」は飛ぶ動力をはじめ、まだまだ課題が多いのも事実といえるでしょう。

 しかし人間は、時間をかけて、様々な技術を現実化してきていました。SF映画の1シーンでは大都市の空中を数多くのクルマが行き交う情景が見られますが、いつか実現する日が来るのかもしれません。

【了】

【使徒やん…】将来実現するかも? 「翼が3対」の旅客機

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