日の丸ロケットの火がパラリンピック聖火になぜ!? 誕生の経緯や採火方法をJAXAに直撃

東京2020パラリンピックの聖火は、パラリンピック発祥の地であるイギリスのストーク・マンデビルの火に、全国各地約900か所で採られた火が合わさってできています。そのひとつには「宇宙開発の火」というのも。実際に採火したJAXAに話を聞きました。

パラ聖火の種火が生まれた角田宇宙センターとは

 角田宇宙センターは、JAXAの研究開発施設です。前身は1965(昭和40)年に発足した航空宇宙技術研究所角田支所(現・西地区)と、1978(昭和53)年に発足した宇宙開発事業団角田ロケット開発室(現・東地区)で、2003(平成15)年10月1日に宇宙航空3機関がJAXAに統合された際にひとつになりました。

 ここはロケットエンジンの開発と試験、航空機用エンジンの開発と試験を一貫して行える施設で、例年ならば毎年1回ある特別公開で一般向けに施設を開放するほか、常設の宇宙開発展示室で施設の紹介を行っています。なお、2021年8月現在は新型コロナウイルス感染症蔓延の影響で特別公開の予定は未定であるほか、展示室の見学も休止しています。

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宮城県角田市にあるJAXA角田宇宙センターの宇宙開発展示室(金木利憲撮影)。

 JAXA角田宇宙センターの植田所長は、聖火への思いを以下のように語りました。

「角田宇宙センターの前身である科学技術庁航空宇宙技術研究所角田支所が開所したのは奇しくも前回の東京オリンピックの翌年の1964(昭和39)年でした。以来、55年に渡って角田市の皆様のご理解とご協力により、日本の基幹ロケットエンジンの研究開発を進めてまいりました」

「今回、角田市よりパラリンピック採火に対する協力依頼を受け、パラリンピック開催と開発中のH3ロケット打ち上げが同じ年度である奇縁もあり、できる限りの協力をさせていただくことにしたものです。ロケットエンジンの開発設備から採られた火が、パラリンピックの聖火となって、すべてのパラリンピアンを見守ってくれるものと信じております」

 東京2020オリンピックの閉会式では、国際宇宙ステーションで撮影された画像が使われました。パラリンピックで灯る聖火は、宇宙に届く乗りものを作る火を合わせています。このように、オリンピックとパラリンピックの双方で宇宙が関わるようになったというのは、少しずつではあるものの、着実に宇宙空間が身近なところに来ようとしているのを象徴しているといえるのかもしれません。

【了】

【写真】世界でも稀なロケット由来の聖火が生まれる様子

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