なぜ? 点灯しない矢印信号がある理由 灯器がちょっと多い「防災型信号機」の役割とは

赤、黄、青の灯火のほかに矢印信号が取り付けられた信号機は数あれど、東京都内には、通常は点灯しない矢印信号まで取り付けられているものがあります。なぜなのでしょうか。

意図的につけられている「点灯しない矢印信号」

 赤、黄、青の灯火のほかに矢印信号が取り付けられた信号機は多数存在しますが、なかには、ふだん点灯しない矢印信号までついているケースもあります。これは初めから、特定の目的でのみしか点灯させない信号を備えているものです。

 東京都内では、都心の外周部にある環七通りと環八通りの主要交差点で、通常は点灯しない矢印の投器もついた信号機が見られ、それらには「防災対応型」との表示板が設置されています。

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防災対応型信号機の例(乗りものニュース編集部撮影)。

 ふだん点灯しない矢印が点灯するとき、それは大震災時などの有事です。交通規制に合わせて信号を点灯させ、環七通りから都心方向への車両の通行を禁止、環八通りにおいては、都心方向への流入を抑制する

 たとえば、郊外から都心へ通じる主要路と環七通りが交わる交差点では、都心方面への信号が赤になり、環七通りの内・外回りへ向かう左右の矢印信号が表示される、といった通常と異なる信号パターンにより、都心方面への通行が遮断されます。

 大震災時以外では例年、9月1日にこの防災対応型信号機の運用訓練が行われ、通常は事前に告知がなされます。しかし2020年は新型コロナの影響で11月に実施されました。2021年の9月1日はパラリンピック期間中のため、行われていません。

【了】

【点灯しない矢印が点灯した現場】訓練の様子を写真で見る

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