聞いたことある! 100年前来日のイギリス戦艦と今はなき有名アパレル企業との意外な関係

2021年9月、イギリス空母「クイーン・エリザベス」が横須賀に入港しましたが、今から1世紀ほど前にもイギリスの新鋭艦が来日しています。その名は「レナウン」。かつて一世を風靡した、今はなき有名アパレル企業との関係は。

時代の荒波に沈んだ日本企業レナウン

 なお、イギリス海軍は第2次世界大戦時、「フッド」「レパルス」「レナウン」という3隻の巡洋戦艦を海戦に投入しましたが、そのなかで生き残ったのは「レナウン」1隻だけです。「フッド」はドイツ戦艦「ビスマルク」との砲戦で1941(昭和16)年5月に轟沈。「レパルス」も同年12月のマレー沖海戦で旧日本海軍の陸上攻撃機部隊の攻撃を受けて戦没しています。

 このように、イギリス巡洋戦艦「レナウン」は第2次世界大戦を生き延びた幸運艦だったのですが、日本企業レナウンは幸運に恵まれたわけではありませんでした。

Large 20210909 01
1920年代に撮影されたイギリス海軍の艦隊。先頭は巡洋戦艦「レパルス」、2番目が「レナウン」(帝国戦争博物館/IWM)。

 1990年代にアパレルメーカーとして世界最大の売り上げを誇ったほど隆盛を極めた同社でしたが、バブル崩壊後はファストファッションの台頭などによって業績は悪化の一途をたどります。

 2010(平成22)年には中国企業の子会社となり、経営再建を図ろうとしたものの上手くいかず、最終的には2020年5月15日に民事再生法の適用を申請するまでに至りました。

 しかし民事再生の場合、再建の後ろ盾となるスポンサー企業の存在が不可欠です。そのような“後見人”といえる企業が姿を現すことがなかったことなどにより、レナウンは同年10月30日に東京地方裁判所より再生手続き廃止の決定を受けます。結果、11月27日に破産手続きの開始が決定され、2021年3月19日に法人としての清算手続きが終了しました。

 巨大アパレル企業レナウンの消滅は、時流といってしまえばそれまでです。しかし、ダーバンのお気に入りジャケットを何着か愛用している筆者(白石 光/戦史研究家)としては、一抹の寂しさを覚えずにはいられません。

【了】

【写真】就役直後と退役直前の「レナウン」を見比べ

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス