復調遠く 高速バスの今 コロナ禍で進む減便・統合 でも新路線は意外と多い?

それでも意外と多い「新路線」

 厳しい中ですが、案外、新路線も目立ちます。コロナ禍に生まれた新路線は、二つのタイプに分かれそうです。

 まず、茨城県境町~東京線(ジェイアールバス関東/関東鉄道)、八王子・日野~新宿線(西東京バス)、西美濃~名古屋線(名阪近鉄バス)、姫路市北部~神戸線(神姫バス)といった大都市近郊の路線です。満員電車での通勤を避けるニーズがあるほか、他路線の運休により生まれた余剰リソースの活用、沿線自治体による支援といった背景があります。

 ただし、通勤に使われる短距離路線は、朝の上り便と夕方の下り便に需要が集中し、他の時間帯の乗車率が上がらないという欠点があり、片道1000円程度の運賃設定では黒字になりません。都心に到着後そのまま他路線の運行に入り、さらに途中で乗務員が交替して車両は終日フル稼働、という路線もありますが、それでも継続へのハードルは高そうです。

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京浜急行バスは横浜~羽田空港線とお台場線を統合。行先により運賃が異なるため、行先を申告する乗り方になった(成定竜一撮影)。

 もう一つのタイプが、ジェイアールバス関東の東京駅~ムーミンバレーパーク(埼玉県飯能市)線や、東京駅~丹沢登山口(神奈川県秦野市)線、京成バスと小湊鉄道の松戸~木更津のアウトレットモール線といった短距離の観光路線です。各地のアウトレットモールへの既存路線が比較的好調なことから、御殿場など他のモールへ、さらなる新路線も期待できます。さらに2022年には関越道花園IC(埼玉県深谷市)至近に新たなモールの開業も予定されています。

 このような観光目的の新路線は、今後さらに増加が見込まれます。国による臨時の補助金が設けられたからです。

【画像でチェック】2021年登場の高速バス新路線まとめ 鉄道空白地帯に東京駅直通ほか

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コメント

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4件のコメント

  1. そして紹介されない京阪バスの京都駅~万博記念公園~ネスタリゾート神戸線(7/22運行開始)。
    京都駅~万博記念公園間はJ1ガンバ大阪がホームゲーム開催時には「ゲーム便」という臨時バスまで出るのに……。

  2. 現在運休中の大半の路線が「当面のあいだ」運休で、実質永久に運休つまり廃止前提であるということであります。実際に本当に廃止に至った便や路線がありますから、非常に深刻な状況に変わりないのが現状です。今後も、そしてコロナ禍明けもこの状況が続く事が予想されます。今のご時世でテレワークやリモートなど、なんでもかんでもオンライン化が進む中、乗り物で移動という概念がますますなくなってしまう危機もあるかもしれません。

  3. 車椅子活動家、傍観できる限り陰ながら応援してるんですけど、彼らは高速バスについては諦めているのですかね?

  4. どこでもドアの早期開発が急務ですね