鉄道の置換えも視野 JR西「自動運転・隊列走行BRT」の本気度 カギはバス専用道

「意気込みの表れ」 専用コース自前設置

 JR西日本は今後、2023年までには運用面の技術を確立し、2020年代半ばには社会実装につなげる構えです。「技術的ハードルを下げ、早期の実現を目指す」ため、実証実験の舞台も自前で用意しました。

 それは、滋賀県野洲市の鉄道車両基地(網干総合車両所宮原支所 野洲派出所)に設置したテストコースです。総面積は2万2800平方メートルで福岡PayPayドームの約3倍、コース総延長は1.1kmに及びます。

「専用コースを自前でつくるのは意気込みの表れです。BRTを想定した自動運転のテストコースは世の中どこにも存在しません。60km/hものスピードでの自動運転も、世界で初めてになるでしょう」。

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実証実験車両の例(画像:ソフトバンク)。

 ソフトバンクの清水さんはこう話し、テストコースを設けることで早期の実用化につながるとの期待感を示しました。

 またJR西日本の久保田さんによると、既存の鉄道と比べれば車両、設備ともにコストは「かなり下がる」といいます。メンテナンスに関しても、線路より道路のほうが手間は少ないということです。

 では、既存の鉄道を置き換えるのでしょうか。記者からもそうした質問が集中しましたが、社会実装の場がどこになるかは、決まっていないといいます。

 JR西日本の久保田さんによると、「鉄道をBRTに置き換えるモード転換も視野にある」とのことですが、それだけが目的ではないといいます。鉄道のないところに導入することも可能な一方で、人口の少ない場所では「専用道を作るまでもないところもあるのでは」とのこと。

「本当の大量輸送ならば鉄道」としつつ、岡山や広島といった大都市へ乗り入れる、中都市への導入が視野に入ってくるといいます。まちづくりとも連携し、パートナーとなる地域との対話を重ねて社会実装を目指していくということです。

【了】

【鉄道より便利?】隊列走行BRTの概要&巨大テストコース 画像でチェック!

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コメント

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5件のコメント

  1. これでどんどん廃止が加速しますね
    バス車両の方が圧倒的に安いですし
    1時間に1本しか来ないような路線はほぼ駆逐されるでしょう

    • そやな

  2. バスだけでなくトラックも貨物列車のごとく走らせられるなら路線維持は十分可能でしょうけどね。

  3. 長距離に応用した場合に隊列のまま高速道路のサービスエリアに入っていったりするのだろうか。

  4. 今のところは専用道ありきだが
    一般の高速道路や自動車専用道路も使えるようになればずいぶんと違うだろう