2021年秋のバス新路線【一般路線バス】 「脱・中心市街地」がトレンド? 地域の常識を覆す新路線も
中心市街地スルー路線を一挙2路線新設
中心市街地スルーな新路線は東海地方でも。
岐阜バス:笠松県庁線・モレラ山県線(岐阜県)
・運行区間:笠松駅~岐阜保健大学南~西岐阜駅(笠松県庁線)、モレラ岐阜~長良北町~山県バスターミナル(モレラ山県線)
(笠松県庁線は10月1日〈金〉、モレラ山県線は10月2日〈土〉運行開始)
岐阜市内の路線バスのほとんどはJR岐阜駅・名鉄岐阜駅エリアに集中しますが、今回新設される笠松県庁線は中心部に乗り入れず、岐阜市街地のはずれを結ぶような路線です。
郊外路線となるモレラ山県線も岐阜市街地は経由せず、2021年6月に岐阜市北側の山県市へ新設された山県バスターミナルと、樽見鉄道の駅もある商業施設「モレラ岐阜」(本巣市)を直結しますが、土休日のみ運行の路線です。沿線には岐阜大学もあります。時間帯によっては混み合う名鉄岐阜駅発のバスに次ぐ新しい選択肢となるかもしれません。
これら新路線は、既存路線のバス停や、路線休止によって使用されなくなっていたバス停どうしをつないで形成されています。いずれも、「中心部・渋滞箇所を経由しない」という実験的な取り組みとも言えるのではないでしょうか。
西鉄バス北九州:東谷~徳力線(福岡県)
運行区間:中谷~頂吉越ほか
(10月1日〈金〉運行開始)
北九州市中心部の小倉・砂津から田川市の後藤寺まで直通していた「田川快速」は、2017(平成29)年に市街地南部の中谷発着に短縮され、中谷~後藤寺間は2時間に1本程度の運行頻度となるローカルバスとして存続していました。今回は、この区間の路線を廃止し、路線の北半分にあたる中谷から頂吉越(かぐめごし。香春町との境に近い)まで、小型バスによる新路線が開設されます。
同時に、博多~後藤時間で運行されている「筑豊特急」も香春まで延伸され、廃止区間のうち金辺(きべ)峠越え区間以外がカバーされることになります。しかし今回の路線新設・延伸にはいずれも北九州市など自治体からの補助があり、本格運行への移行は1年間の実証実験での利用実績次第です。
【了】
※一部修正しました(10月9日15時40分)。
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
皇居内の道路ならばやんごとなき方々がお歩き召されていることはまずないだろうから無人運転の試験にうってつけ、と思ったらそういう話ではなかった…