ANAが本場愛媛で「みかん農園」! 航空会社がどう関係? 斬新プロジェクトのカラクリ

ANA流地方創生初弾「愛媛のみかん」の内容とは

 では、谷山支店長が陣頭指揮をとる「愛媛のみかん」のプロジェクトは、どのような作戦なのでしょうか。

 ANAあきんどでは、石丸農園が保有している廃園を「ANA農園」とし、高級かんきつの苗を植えます。育てられたみかんなどの柑橘類は数年後に、ANAブランドとして収穫し販売する予定です。現在、それに向け3つの区画が「ANA農園」として整備され、うち1区画は、すでに苗が植えられている状態です。

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ANA・ANAあきんど松山支店長 谷山 章氏(2021年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

 また、ANAグループならではの「航空会社パワー」も存分に発揮されます。現在「ANA農園」には、CA(客室乗務員)も務める同社のスタッフが常駐。ANAの販売チャネルを活用した販路拡大やブランディング、ツアーにかかる事務作業を行います。

 このほか、近々にも国内線プレミアムクラスの機内食にも、石丸農園で育てられたみかんが使用される予定とのこと。そのほか、みかんの皮などの産業廃棄物を利用した新規商品(コスメ関連など)の開発なども計画しているといいます。

 そしてこのプロジェクトでは、ふるさと納税の返礼品として、農園内の木の”所有権”をプレゼントするという取り組みも始めています。木の所有権を持つことは、その木の様子を見に松山に行きたい、という需要喚起も期待できる――と谷山支店長は話します。

 今後ANAあきんど松山支店では、ふるさと納税対象者をターゲットに「自分のみかんの木」を収穫する体験ツアーやワーケーションなどを造成し販売することも計画しているとのこと。最終的には、廃園や人手不足の改善、旅行商品や物販でANAグループの収益向上も狙えるほか、愛媛県の増収にもつながる――といった「三方よし」の新ビジネスとする狙いがありそうです。

【了】

【これから激化けします】「廃園」となっているANA農園の現状など

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