日暮里・舎人ライナー運休をバスでカバー 「不測の事態」に柔軟対応できたワケ

鉄道とド並行でバスを残していたからこそ

 車両が小ぶりな新交通システムである日暮里・舎人ライナーは、もともと輸送力が小さいうえ、他の鉄道路線との接続が少ないこともあり、朝ラッシュ時は多くの人が沿線から西日暮里または日暮里まで向かいます。バスはその需要を柔軟にカバーしたといえるのではないでしょうか。

 こうした対応が可能になった背景には、ライナーとほぼ完全並行する都営バス里48系統を残していたことが挙げられます。民間バスによる臨時便も里48のバス停が活用されました。

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都営バス里48系統は、駅の最寄りでないバス停にも停車する(2021年10月10日、中島洋平撮影)。

 かつて沿線地域の主要な足を担っていた里48は、2008(平成20)年のライナー開業後に減便され、現在は都営バスのなかでも赤字が大きい路線になっています。しかし東京都交通局は、地域交通網を拡大すること、そしてライナーの不測の事態に備える目的もあり、里48運行は区間を短縮することなく運行を維持する考えを話していました。

 なお、里48の増便と臨時バスの運行は11日(月)午前10時にいったん終了しましたが、東京都交通局は同日12時時点で、今後も状況に応じて運行する可能性があるとしています。

【了】

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