護衛艦「いずも」に初めて戦闘機が発着艦 その時ひるがえった「旗」は何を意味する?

「いずも」に掲げられた信号旗の意味

「いずも」に掲げられたF旗は1字信号で、国際信号書に基づけば、その意味は「私は操縦できない。私と通信を求む」となります。しかし、実はここで用いられているF旗は、国際信号書に記されているものとは全く別の意味を表しています。というのも海上自衛隊の艦艇においては、国際信号書とは異なる意味が割り当てられている「NATO(北大西洋条約機構)」のコードに基づいて信号旗が掲揚されているのです。

 ここでいうNATOコードとは、いわばNATO加盟国の海軍のあいだで用いられているローカルルールであり、国際信号書には記されていないNATO信号旗といったものもあります。そしてNATO加盟国ではないものの、グローバル・パートナーといういわば準加盟国的立場である日本の海上自衛隊の艦艇も、このNATOコードに則っているというわけです。

Large 211013 flg 02

拡大画像

「いずも」に着艦するアメリカ海兵隊のF-35B(画像:アメリカ海兵隊)。

 海上幕僚監部広報室によると、NATOコードにおけるF旗は「航空機運用中」を意味し、その艦で固定翼機の運用が行われていることを意味しています。そして、これまで海上自衛隊の艦艇では「ヘリコプター運用中」を意味するアルファベット旗の「H」を掲げたことはあったものの、このNATOコードに基づくF旗を掲げたことはなく、今回が海上自衛隊史上初めてのことだそうです。

 ちなみに、海上自衛隊の艦艇がNATOコードではなく通常の国際信号書に定められているとおりの意味として国際信号旗を用いる場合(たとえば商船と通信するような場合)には、赤白赤白の「回答旗」に続いて信号旗を掲揚することになっています。

【画像】おなじみZ旗も 国際信号旗の文字旗 数字旗 代表旗

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。