終了迫る「奥出雲おろち号」大人気! 鉄道ファンを「地域のファン」に変えるその仕組み
旅の基本「いつもと違う場所に来た」をしっかり抑えた列車
「奥出雲おろち号」に乗り、まず目につくのは、手を振る沿線の人々の多さです。休日になると各駅には列車や乗客の到着を待っていた親子連れの姿が目立ち、中には出雲八代駅のように「おろち号」の運行に合わせて地域の活性化も兼ねた野外カフェが開催され、集まった人々が列車に一斉に手を振るような光景も。通過する列車に農作業の手を止めて手を振る人の姿もあり、その雰囲気は、まるで知らない街の祭りに入り込んだようにも感じます。国内ながら「いつもと違う場所に来た」という旅の基本的な楽しみをしっかり味わえるのは嬉しい限りです。
停車駅ごとに販売される弁当や土産物、スイーツなども、地域の自然で育ったものや、昔から食べられてきたモノばかり。木次駅では風味を損なわない地元乳業メーカーの「パスチャライズ牛乳」を使った乳製品、同駅と木次駅では駅舎内で営業するそば店の「そば弁当」、出雲坂根駅では駅前で焼かれる焼き鳥の煙に、目と嗅覚を奪われてしまいます。
山深い地域ならではの鯖寿司、笹寿司なども販売されており、乗車しただけで「この地域の名産品はそば・米・肉・牛乳、保存食として受け継がれてきた押し寿司も美味しい」ことがしっかりと印象に残ります。中には「前回ほかの人が食べていた弁当が美味しそうだったからもう1回乗車して注文した」という人も多いのだとか。
こうして、リピーターになった人々は、沿線での消費も積極的になるのでしょう。よく好きなアーティストやアイドルの応援を“推し”と呼ぶこともありますが、いわばローカル線が“推し“になり、沿線でのお祭りのような歓迎や商品の購入を通じて“推しと距離が近く”なり、“推しに直接お金を使う”循環が生まれ、鉄道ファンから「地域のファン」へ変化していくのではないでしょうか。
もちろん列車には数々の絶景などの訴求ポイントはありますが、高級感を打ち出す近年のクルーズトレインとはまた違った、見知らぬ場所での「地域体験型クルーズ」とも言える、サービスを受けるだけでない楽しみがあります。広島や岡山といった都市からも比較的近く、物品購入を含めて手頃な値段で乗車できることも、年に何度もの来訪を呼び込みやすい環境とも言えるでしょう。
今までは結構気軽に乗れていたのに、最近は券売機でも全然取れない!
ツアーもことごとく完売してるみたいだし、こんなに入手困難になるとは思わなかった
食事の充実ぶりはもちろんだけど、弁当類は予約したほうがいいです。
商品の受け渡しに時間がかかって遅れても、運転本数が少ないから特に支障がないwww
出雲八代での子供軍団の歓迎は壮大だったし、おろちループも綺麗に見れるし(国道に展望台もあるけど雑草が伸びすぎて使えない)、指定席取れたらまた乗りたいな
列車は終了が予告されていますが、木次線はどうなるのでしょうか。