終了迫る「奥出雲おろち号」大人気! 鉄道ファンを「地域のファン」に変えるその仕組み

首都圏から「日帰り“おろち号“」も可能?

 現在入手が困難となっている「奥出雲おろち号」のチケット、その方法を地域の方々に伺いました。

●週末の芸備線増便がなくても! 実は平日でも到達できる“難関・備後落合駅”

 先述の通り、2021年10月から11月23日まで、土休日に芸備線の増便が行われており、週末のみですが、12時57分に備後落合を発車する復路の「おろち号」に、芸備線から乗車することが可能です。しかし、それとは別に平日でも、備後落合駅に路線バスで到達する三次・庄原からの“裏ルート”が存在します。

・三次駅前(10時43分発 備北交通「三城線」庄原駅行き)→庄原駅(11時22分着/11時32分発 西城中野行き)→西城病院前(12時01分着/12時11分発 西城交通「道後山線」道後山麓行き)~落合駅前(12時25分着)
※いずれも2021年11月現在、平日のみ。西城病院前バス停は備北交通が道路沿い、西城交通が病院の正面玄関で徒歩1分)

 落合駅前でバスを降り、目の前にある小鳥原(ひととばら)川を渡ると備後落合駅は目の前。道すがらには作家の松本清張も泊まった旅館(現在は営業していない)が残るなどしているため、かつて100名以上の鉄道関係者が在住していたという“鉄道のまち”の名残をゆっくり観察しながら到達できます。

●首都圏から「日帰りおろち号」も可能?

 今回の芸備線増便と連動して、広島空港から庄原へのバスが12月12日(日)までの土休日限定で運行されています(予約制)。朝一番に羽田空港から広島空港へ飛んで、バスで庄原から備後落合駅まで移動して「奥出雲おろち号」に乗車、その後は出雲市駅や松江駅に出て出雲空港連絡バスに乗り、出雲空港19時10分発の羽田行きに乗れば、「日帰りおろち号」が可能です。また、到着は翌朝になりますが、東京行き寝台特急「サンライズ出雲」を利用してもいいでしょう。

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出雲坂根駅で臨時出店される名物の焼き鳥。通常は近くの道の駅で販売されている(宮武和多哉撮影)。

●人気区間は路線バスで「奥出雲おろちワープ」!

 チケットの人気は、どうしても3段スイッチバックのある出雲坂根~三井野原間に集中しがちで、この区間だけ「おろち号」に乗車するバスツアーもあるほど。つまり、それ以外の区間(木次~出雲坂根、三井野原~備後落合)では、比較的空席が生じやすい傾向にあります。

 例えば木次から乗車し出雲坂根駅で降りて、駅構内の延命水を汲んだあと、折り返しで坂を降りてくる列車を撮影してまた乗車、といった時間の過ごし方もアリかもしれません。備後落合発の復路なら三井野原でいったん下車し、13時38分発に駅前を出る路線バス(奥出雲交通「八川線」横田車庫行き)で出雲坂根駅に回り込むことも可能。このバスは、列車から眺める国道314号の「奥出雲おろちループ」を走行します。11の橋からなるループ道路で高低差105mを一気に降りていく車窓も、列車に負けず劣らずの壮観です。

【了】

【盛り上がってます!】奥出雲おろち号のルート/旅レポ(写真43枚)

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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2件のコメント

  1. 今までは結構気軽に乗れていたのに、最近は券売機でも全然取れない!
    ツアーもことごとく完売してるみたいだし、こんなに入手困難になるとは思わなかった

    食事の充実ぶりはもちろんだけど、弁当類は予約したほうがいいです。
    商品の受け渡しに時間がかかって遅れても、運転本数が少ないから特に支障がないwww
    出雲八代での子供軍団の歓迎は壮大だったし、おろちループも綺麗に見れるし(国道に展望台もあるけど雑草が伸びすぎて使えない)、指定席取れたらまた乗りたいな

  2. 列車は終了が予告されていますが、木次線はどうなるのでしょうか。