「災害対応にアシスト自転車」ってアリ? 内閣府 3.11後に導入の車両が大量廃棄 問われる意識
内閣府の庁舎の一画で、大量の電動アシスト自転車が廃棄を待っています。聞けば、東京都心で大渋滞が発生した3.11の教訓から災害対応のために導入したとのことですが、実際にはほぼ使われなかったもの。今後も更新が予定されています。
ほぼ使われなかった?「緊急参集」のためのアシスト自転車
内閣府の自転車置き場に、廃棄を待つ車両が大量に野ざらしになっています。電動アシスト自転車は国会との往復などのため多くの省庁が採用していますが、廃棄されるのは「防災目的」で購入された自転車。取材を続けると、“通勤”のための自転車として現物支給になっていることもわかりました。
首相官邸の向かいに位置する内閣府。その建物の自転車置き場の一角に2021年11月下旬時点で、「廃棄処分」と朱文字にて書かれたシールを貼り付けた電動アシスト自転車がずらりと並んでいます。使い込まれた形跡はありません。自転車の後ろの泥除けには持ち主を示す「防災予備自転車」のラベルが貼ってあります。廃棄を待つ車両は、この内閣府の防災担当が所有する一部でした。
「廃棄するのは過去から買い増ししてきた古い車両が捨てずに残っていたもので、今回廃棄するのは23台。最も古いものは2011(平成23)年に購入して10年経過している」
取材に対応した政策統括官室(防災担当)の担当者は、廃棄自転車についてこう説明しましたが、整然と並べられた車両の見た目はまだまだ現役。風雨にさらされてサドルはひび割れているものの、タイヤの摩耗はほとんどなく、錆も目立ちませんでした。取材当初には「使われもしない車両なのにもったいない」という関係者の声も聞かれました。
内閣府の担当者は防災担当の使命をこう話します。
「内閣防災には約150人の職員がいるが、突発的な自然災害ですみやかに参集する『緊急参集対応』が求められる。3分の1の50人がその対応要員で、事務局である合同庁舎8号館(内閣府本府)に集まり、一部は首相官邸にも入らなければならない」
内閣府防災は、大規模地震や広域風水害が発生した場合に設置される災害対策本部で、国土交通省や自治体との調整役となる重要な機能を担っています。アシスト自転車はここで緊急参集が求められる職員のために用意された移動手段であり、時と場所を選ばない災害対応のためであることを強調します。
どーして「捨てる」ことしか考えないのかなぁお役人は。