東急大井町線が全通した日 -1929.12.25

92年前の12月25日、現在の東急大井町線が全線開業しました。

大井町を起点に「田園都市」整備の象徴となった路線

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東急大井町線の9000系電車(画像:写真AC)。

 1929(昭和4)年の12月25日。目黒蒲田電鉄の自由ヶ丘~大岡山間が開業し、大井町線が全通しました。

 この路線の興りは渋沢栄一による「田園都市」の開発構想と言えます。現在の田園調布周辺の開発とセットに都心からのアクセス路線を整備するため、1920(大正9)年に現在の大井町~大岡山~田園調布~沼部にあたる路線の敷設免許が下りました。

 付近を走る池上電気鉄道(現在の東急池上線)とは都心乗り入れを巡って競争を繰り広げ、その関係で都心の拠点が目黒となりました。その背景から、まず大岡山~丸子(現・沼部)間は目黒線(現在の目黒線・多摩川線)として1923(大正12)に開業。大井町~大岡山間は1927(昭和2)年に大井町線として開業します。

 一方で1929(昭和4)年11月には二子玉川~自由ヶ丘間が二子玉川線として開業。その翌月のこの日、ついに大井町線と二子玉川線がつながり、ひとつの「大井町線」となったのです。

 戦後、川崎市・横浜市西部を中心に「田園都市」の開発が進むとともに新路線「田園都市線」の整備も進められ、大井町線も一時期は田園都市線に統合されていました。

 1977(昭和52)年に渋谷~二子玉川間の地下新線「新玉川線」が開業し、地下鉄半蔵門線へ乗り入れると、二子玉川~大井町間は再び大井町線となりました。

 その後、大井町線は基本的に溝の口まで乗り入れるというダイヤでしたが、近年は中央林間まで直通する急行が増加するなど、再び田園都市線との結びつきを強めています。

【了】

【昭和の大井町線の姿を見る】

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