ギラリ銀色「地肌むき出し旅客機」なぜ消滅? 昔は一般的 メリット多数でも消えたワケ

なぜ近年「ベア・メタル」が下火に?

 これは、磨き上げるメンテナンスに手間を要し人件費が高くつくぶん、燃費が節約できても、トータルコスト的には通常塗装を実施するのとほとんど変わらなかったことが主な理由とされています。

 また、冒頭で旅客機はジュラルミン製と申し上げましたが、近年、機体素材に大きな変化があったことも大きな理由です。

 近年、ボーイング787、エアバスA350など、機体材料にジュラルミンではなく、複合材(カーボン素材)が使用されることも一般的になりつつあります。これらの機体の製造過程を見ると、塗装を施す前のカラーは銀色ではなく、艶消し黒にも見えます。

 また、複合材を胴体構造に使用している機体では、塗料による重量増加の対策より、機体表面を塗装で保護するほうが重要です。そのため、全面塗装が施されています。

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手前がANAのボーイング787、奥がJALのエアバスA350(乗りものニュース編集部撮影)。

 ちなみに、超音速で巡航できる「コンコルド」では、「半ベア・メタル」がトレンドの当時としては珍しく、機体全体を真っ白に塗装して路線に就航しました。これは塗料の進歩に伴う軽量化、価格の鎮静化のほか、さらなる高速飛行により機体下面が高熱を帯びることへの対策とされています。

【了】

【光りすぎだろ!】超貴重な「全面ピッカピカ」塗装機

Writer: 種山雅夫(元航空科学博物館展示部長 学芸員)

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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コメント

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1件のコメント

  1. ベアメタルの機体で思い出すのは、B-29、P-51DにJALカーゴの747ですね。