5年52隻の大計画! 米軍の大姉妹「クリーブランド級軽巡」の“数は力なり”思想

第2次大戦中のアメリカは戦車や戦闘機、そして空母についても他国とはケタ違いの数を製造しました。同じことは巡洋艦も。日米開戦からわずか5年で27隻も造られ、戦後もミサイル搭載艦として運用されたアメリカ軍艦について見てみます。

軍縮条約の締結がもたらした新カテゴリー

 当時、航空機(空軍)は第1次世界大戦での有用性から新兵器として各国で注目されてはいたものの、性能そのものが発展途上だったため、今日のように政戦略兵器とは認められていませんでした。

 これに対して軍艦(海軍)は、「砲艦外交」という言葉もあるように、海を越えて外国を侵略できる政戦略兵器として、古くから認識されていました。しかし、多数の軍艦を建造し、その軍備を維持し続けるには莫大な費用がかかります。しかも、人類初の国家総力戦といわれる第1次世界大戦の惨劇がまだ記憶に新しい時期で、同大戦における莫大な戦費支出は、イギリスやフランスをはじめとする戦勝国といえども、しばらくのあいだ尾を曳いていました。

 そこで五大国といわれる、日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリアは、政戦略兵器たる軍艦の保有隻数を制限して、戦争の抑止と軍事支出の低減を図ることにします。こうしてワシントン海軍軍縮条約と、それに続くロンドン海軍軍縮条約が締結されます。この一連の海軍軍縮条約は、軍艦の艦種別の保有隻数を、条約加盟の各国ごとに決めるというものでした。

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アメリカ海軍のクリーブランド級軽巡洋艦の6番艦「サンタフェ」(画像:アメリカ海軍)。

 この流れのなかで、従来は排水量や主砲の口径などにより、「巡洋艦」としてひと括りにされていた艦種を、ロンドン海軍軍縮条約では、主砲の口径が6.1インチ以上8インチ以下のものをカテゴリーA、同6.1インチ以下のものをカテゴリーBと、改めて2種類に分けたうえで、戦艦と同様に、国ごとに保有できる隻数に制限を設けることにしたのです。

 こうして生まれたのが「重巡洋艦」と「軽巡洋艦」という呼称でした、大口径の主砲を積むカテゴリーAが前者、小口径の主砲を積むカテゴリーBが後者になります。もっとも、それ以前にも「軽巡洋艦」と呼ばれる艦種は存在していましたが、それら「古い軽巡洋艦」は外観もクラシックなため、カテゴリーBと称されるようになってからの「新しい軽巡洋艦」との識別は容易です。

【ミサイル発射シーンも】ミサイル巡洋艦へ改装されたクリーブランド級各艦ほか

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