モンスター軽「N-BOX」10年の功罪 苦戦から一転爆売れ“ホンダの軽”その危うさ
N-BOX爆売れ! N-ONE、N-WGNはそれほどでも…
そしてNシリーズは画期的でした。ホンダのコンパクトカーである「フィット」と同様の燃料タンクを車体中央の床下に納める「センタータンクレイアウト」を採用。後席から荷室に大きな空間を生み出すことに成功します。また、ハイトワゴンにスライドドアの「N-BOX」、スタンダードなドアの「N-WGN」、パーソナルカラーの強い「N-ONE」、商用の「N-VAN」と、すべてのモデルの名前をNシリーズに集約します。クルマに詳しくない人であっても、名前を聞けば、すぐに「これはホンダの軽自動車だ」とわかるようになりました。二番煎じではなく、ホンダらしい、革新的な技術と強いコンセプトが感じられるクルマだったのです。
そんなNシリーズは、驚くほどの成功を納めます。特に1番バッターとして最初に投入された「N-BOX」は、発売から4か月後の4月に、初の月間新車販売ランキングで1位を獲得。残念ながら2012(平成24)年は年間販売ランキングトップのダイハツ「ミラ」に7000台ほど足りず、「N-BOX」は2位に甘んじますが、その翌年は初の年間販売ランキング1位の栄冠を獲得。その後は、2015年、2016年と年間1位を連続で獲得しました。
さらに、2017(平成29)年9月にフルモデルチェンジを実施し、その年は軽自動車だけでなく、登録車もあわせた中でのナンバー1となっています。さらに2018年と2019年、2020年も連続で登録車をあわせたナンバー1。2021年は「ヤリス」に負けてしまいそうですが、それでも軽自動車の中では不動の1位の地位を守っています。まさに圧倒的な成績です。
一方、2012年投入の「N-ONE」や2013年の「N-WGN」、2018年の「N-VAN」は、それほどの成功を納めることができませんでした。残念といえば残念ですが、それを補っても余りあるほど「N-BOX」が売れているのですから、ホンダとしては困るわけではないでしょう。
しかし、逆に言えば「N-BOX」が突出して売れすぎているのは、大きな不安材料にも見えます。
ホンダの販売傾向はいつも
人気の1車種に一極集中してしまう様に見受けられる
生産販売手法になにか問題点があるのか?
それとも単に一定数のホンダ車乗継ユーザーがおり(高齢化で年々減少?)
それらが無難に一番人気で買い得感ある1車種に傾倒してしまうという傾向があるんだろうか?