モンスター軽「N-BOX」10年の功罪 苦戦から一転爆売れ“ホンダの軽”その危うさ

軽は屋台骨になり得るか? 綱渡りのホンダ

 そもそもの話でいえば、軽自動車は利幅の少ないビジネスです。1台当たりの価格も低ければ、マーケットは日本国内だけ。軽自動車市場は平成から令和の現在まで150~200万台程度で安定していますが、これ以上大きな成長は望めません。そのためスバルやマツダは軽自動車の生産から撤退してしまいました。どちらもホンダと同様に軽自動車から4輪に進出したメーカーでしたが、やはり軽自動車には旨味が少なかったのでしょう。

 そうした旨味の少ない軽自動車で、しかも1車種ばかりが大きく売れているのがホンダです。さらに登録車のビジネスも、最近では陰りが見えます。2000年のホンダの国内販売は軽自動車をあわせて約75万5000台で、そのうち約45万6000台が登録車でした。ところが、2010年代に入ると徐々に登録車が減ってゆき、年間40万台を切るようになり、2019年には約35万7000台、コロナ禍に襲われた2020年は約29万4000台にもなっています。

つまり、軽自動車の「N-BOX」が売れているので全体の数字は悪くはないのですが、登録車の販売数がジリジリと下がってしまっているのです。

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2021年で販売を終了するオデッセイ、クラリティ、レジェンド。登録車のラインアップは縮小の一途(画像:ホンダ)。

 もしも、「N-BOX」の人気に陰りが見えたら、一気に全体の数字が悪化する可能性があります。そういう意味で、ホンダの国内販売は「N-BOX」という一本の綱に頼った、まさに綱渡りの状態となっているのではないでしょうか。

 そこで求められるのは、登録車のヒット車であり、「N-BOX」以外の軽自動車のヒット車です。ひとつの柱ではなく、なるべく多くの柱で支えたいもの。2022年春には、新型のミニバン「ステップワゴン」が登場するとアナウンスされています。ホンダとしては、新型ステップワゴンのヒットは、1モデルだけの問題ではなく、国内市場を戦うホンダ全体としても熱望していることでしょう。

【了】

【歴史】N-BOX以前の「ホンダの軽」画像でズラリ!

Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。

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コメント

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1件のコメント

  1. ホンダの販売傾向はいつも
    人気の1車種に一極集中してしまう様に見受けられる
    生産販売手法になにか問題点があるのか?
    それとも単に一定数のホンダ車乗継ユーザーがおり(高齢化で年々減少?)
    それらが無難に一番人気で買い得感ある1車種に傾倒してしまうという傾向があるんだろうか?