トンガ救援の英哨戒艦 地球の真裏から駆け付けた? いえ近くにいました その理由

哨戒艦がインド太平洋地域に派遣されている理由

 実は、この「スペイ」は今回のトンガにおける救援活動のためにイギリスから展開したわけではなく、2021年から姉妹艦の「テイマー」と共に5年間のインド太平洋地域への配備に就いているのです。

「テイマー」と「スペイ」はそれぞれ2020年および2021年にイギリス海軍に配備されたばかりの最新鋭艦で、全長は90m、排水量は2000トン、そして固定武装は30mm機関砲という非常にコンパクトな艦艇です。しかし、その任務は警戒監視活動や麻薬密輸の取り締まり、さらに対テロ作戦などに至るまで多岐に渡ります。

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フランス領タヒチにて、トンガへの救援物資を積み込む「スペイ」(画像:イギリス海軍)。

 インド太平洋地域において、「テイマー」と「スペイ」はこうした活動に従事することになりますが、しかし、その運用は非常に特殊なものとなっています。まず、この2隻は通常の軍艦のように固定された配備港を有するわけではなく、地域内にある他国の港や海軍基地を転々と移動することとされています。また、艦の運用に携わる46名の乗員のうち、その半数は数か月ごとにイギリスから交代要員が派遣され、定期的に乗員が入れ替わります。そのため、乗員の休養に要する期間が短くなり、1年間の内およそ9か月ものあいだ洋上で作戦行動を行うことができるのです。

火山灰に覆われたトンガ王宮 ほか「スペイ」の救援活動の様子

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コメント

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2件のコメント

  1. トンガの周りはイギリスの保護領なんだから、居てもおかしくないだろに。

    その事踏まえた上での記事なの?

  2. >>艦の運用に携わる46名の乗員

    まあ、哨戒艦だからこのくらいの人数で運用できるんだろうな。
    軍艦は24時間動いているから基本8時間とか6時間勤務で実働人数は1/3とか1/4くらいで動かしているんだろうけど。

    それとトンガ王国は、イギリス連邦参加国であって保護領ではないからね。
    トンガ王国が保護領なら、カナダやオーストラリアも保護領って事になる。