多摩モノレール延伸ルート「町田ゼルビアのポーズ」っぽい? ファン歓喜も妙なZ字ルートのワケ
モノレールは「町田ジェットコースター」に? 延伸も視野に道路整備が進む市内
とはいえ検討されていた4ルートは経由地が共通の部分も多く、経由が確定していた地域では、モノレール建設を前提とした道路の整備も進んでいます。
町田市も東京都の事業と連携して、いったん町田市が土地を買収し、道路完成後に東京都へ売却するというスキーム(枠組み)で先行して道路の整備を進めており、2021年時点では、町田市内の旭町3丁目~本町田間で陸橋などが姿を現していました。もし道路として先行整備されれば、町田駅前通りや鎌倉街道まで回り込まずに本町田方面に抜けるバイパスとなるため、モノレール開業に先行してバス路線の開業もあるかもしれません。
町田駅近辺では、かつて噴水広場として活用されていた場所が片側3車線の「原町田大通り」として整備されており、さらにモノレールが通じる芹が谷公園方面への延伸準備が進められています。多摩センター側でも、中央部に空間がある「多摩モノレール通り」が町田市の市境近くまで続いています。すでに延伸ルートの両端と、途中の一部区間でモノレールを導入できる道路が開通済み、もしくは整備中、といった状況です。
野津田のスタジアムが「天空の城」などと言われるように、この延伸ルートは高低差がかなりあることがわかります。多摩センター側の多摩モノレール通りも、町田方面へ進むと狭く、長い下り坂に。また、町田駅側のルート上に位置する芹が谷公園も、周囲との高低差が大きい窪地になっています。モノレールが公園を横断するのか、少し離れた位置を通るのかは、まだ明らかになっていません。
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多摩都市モノレールは現行区間でも、認可から部分開業まで7年を要しており、実際の延伸はまだまだ先の話です。しかし開業すれば、J1昇格を目指すゼルビアにとって、この上ないアシストにあるでしょう。モノレールによって一挙にアクセスが改善され、満員のスタンドから“ゼルサポ”の「マァチダァ、オレ~オレ~!」というチャントが聴ける日に期待したいところです。
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Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
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