70年の歴史に幕「第1戦車大隊」に最新 “装輪戦車” 配備のワケ 目前に迫る陸自の転換点

警察予備隊からの歴史ある戦車部隊が2022年3月をもって廃止になる予定です。そのため、所属隊員たちは目下、新装備である16式機動戦闘車の運用訓練中。ただ、単純に戦車から機動戦闘車に乗り換えるだけではないようです。

「偵察戦闘大隊」への移動で隊員の任務も変化

 ちなみに、戦車に乗るためにはMOS(Military Occupational Specialty)、通称「モス」と呼ばれる部内資格である「特技」を取得する必要があります。よって「偵察」に指定された新隊員は戦車に乗ることがないものの、逆に偵察隊員として必要なMOSを取得することが求められます。

 これについては、全陸上自衛官が例外なく自分の職種に関する何らかのMOSを取得する必要があります。たとえば職種ごとに区分されている「主要MOS」は全隊員に必須です。そのほかにも、自衛隊車両を運転するためや、それこそラッパを吹奏するにあたっても、そのために必要な「付加MOS」を取得しなければ扱うことは許されません。

 陸上自衛隊では、このようにMOS(特技)で隊員個々の能力を管理しています。戦車部隊と偵察部隊に分かれている機甲科も、職種として特有の人事管理体系が整理されていたのですが、今回、第1戦車大隊から第1偵察戦闘大隊へ改編するにあたって、それまで「戦車一筋」で仕事をしてきた隊員が「偵察」のMOSを取得する動きが出ているそうです。なぜそうなっているのかというと、新編される部隊の特性が「偵察戦闘」を任務とする部隊だからだといえるでしょう。

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公道で走行訓練中の第1戦車大隊の16式機動戦闘車。操縦訓練は連日行われているため、地域住民からすれば見慣れた光景になりつつある(武若雅哉撮影)。

 第1偵察戦闘大隊は、第1偵察隊に16式機動戦闘車を追加で配備する形で、より強力な偵察部隊として生まれ変わるものです。第1戦車大隊が装備していた戦車を運用することはありません。そのため、長年戦車に乗り続けていた隊員は「偵察」という新しい分野へと駒を進めることになるのです。

 第1戦車大隊も残す所、あと1か月半程度で廃止されてしまいます。東富士演習場で行われる「富士総合火力演習」や、習志野演習場で行われる「第1空挺団降下訓練始め」の常連であった由緒ある部隊ですが、その部隊の終焉も間近に迫っています。

【了】

【もうすぐ消える部隊マークも】年度末で見納め 第1戦車大隊の74式戦車&10式戦車

Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

3件のコメント

  1. 要するに第五世代戦車開発できず、10式の量産化も全てできないから、主力戦車に比べ、生産や維持のコストが安い小型軽量にできるため、道路網や空輸を生かした、高速な機動展開が主力戦車よりしやすい

    装甲を厚くできないため、主力戦車との正面戦闘には向かない。もちろん壁役にもなれない発砲時の踏ん張りが効きにくく、必然的に威力が低い主砲を採用せざるを得ない。主砲を大口径化しようとすると反動制御に高い技術が求められ、コストの安さを打ち消してしまう

    なお、冷戦後にNATOおよびワルシャワ条約機構諸国が核以外の兵器について取り決めた軍縮条約であるヨーロッパ通常戦力(CFE)条約は、戦車に相当する主砲火力・装甲・路外機動力を全て備えた装輪装甲車であれば戦車と見做すと定めている。

    つまり現在の欧米諸国の「装輪戦車」は、火力は確保しつつ戦車扱いされないように装甲と路外機動力のどちらかまたは両方で妥協した装輪車両であるとも言えるだろう。

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    装輪戦車として扱われうる装甲車の一覧と言われる紛い物に変えただけ

  2. 既存の戦車では重量オーバーで通れない橋もあるし、仕方ないよね。

    61式は、鉄道輸送が可能なように鉄道貨車に積める寸法と重量に抑えていたという話があるように、駐屯地からの移送は昔からの課題でもあるからね。

  3. お金無いのもそうだろうけど、ロシア太平洋艦隊もガタガタ、中国も大型強襲揚陸艦(075型)を増やしつつあるけど、対処できない規模での戦車の上陸は無く、空挺や海からの歩兵またはゲリラに備えられればいいという感じなのかな。

    戦車は、高性能化した対戦車ミサイルや無人機や攻撃ヘリからの攻撃にも弱く、それなら日本限定で装甲はそこそこでも移動速度も早くて機動的に展開できる方がいいだろうと。

    ウクライナ情勢みたいに某国が陸路でガチで何千両も戦車をブツけてくる状況もありえないし…と(中国も7千両くらいは戦車を配備してると言うけど、短期で大量に運ぶ手段もないし)。

    重量物を航空で大量に楽に運べる技術や海を凍らせる技術、または海を超える渡海橋みたいのが登場して極短期で大量の戦車が海を渡る事でもない限りは、いらんと。

    ただ、旧日本軍は中戦車〜重戦車開発を軽視したお陰で走る棺桶の軽戦車(歩兵支援)が主体で大陸やら島で苦労してると思うので、同じ轍を踏まないように少数でも開発と配備自体は続けた方がいいと思う。

    限られたリソースをどこにふるかの問題はあれど。まあ、これを言ったら中央集権の独裁国家みたいなのに囲まれてる日本としては核を持つ方が低コストだろうけども。

    全体を司るコントローラー1個をぶっ壊せば指揮命令系統は崩れて、あとは権力闘争の内ゲバで自戒しそうだし。

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