珍形状?な3発機「ボーイング727」 傑作化も納得の設備がギッシリ!? -1963.2.9初飛行

「リスキーな飛行機」727、どんな工夫が?

 ボーイング社によると727は旅客機としては初めて、メインの3つのエンジンのほかに「APU(補助動力装置)」と呼ばれる小さなガスタービンエンジンを装備したといいます。APUは地上での動力確保やエンジンの始動などに使用されるもので、現在のジェット旅客機でもスタンダードな設備のひとつ。これも、設備の整っていない空港へ就航する工夫です。

 このほか、同機の客室最後部には、機体に搭載するタイプの備え付け階段「エアステア」を装備。これを使うことでタラップ車や搭乗橋がない空港でも、支障なく旅客が乗り降りすることが可能です。

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ANA「モヒカン塗装」のボーイング727-100(画像:ANA)。

 当初727は、200機以下の受注に留まっていました。ボーイング社も「危険な飛行機(very risky)」と振り返るほど、斬新な設計を持つがゆえに開発リスクが高いモデルとされていたのです。ただ同社は、2月9日に初飛行を実施後、26か国を渡るツアーを実施し販促を行うなどし、受注獲得に注力します。

 その後、主翼前後の胴体をそれぞれ約3mずつ延長させ、最大189人の旅客を乗せられるようにしたサブタイプ「727-200」がデビューすると、同機の売れ行きは大きく伸び、ボーイング屈指のヒット作になりました。

 同シリーズの生産は1984(昭和59)年に終了となるも、国内線はもちろんのこと、エンジンを3基備えた冗長性の高さから洋上飛行も可能であったため、国際線でも導入されました。なお、2022年現在、同旅客機の運航はありません。

 ちなみに、ANAのボーイング727は、東京~大阪までフライト時間の区間スピード記録を樹立。記録は26分で、同社によると「民間旅客機としては未だ更新されていない記録」とのことです。

【了】

【写真】キメラかよ! 727の胴体+ベンツの足回り=謎バス

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