ボーイングの旅客機が宙返りをキメた! なぜ? 本当にあった「旅客機バレル・ロール」伝説
ジェット旅客機でのアクロバティック飛行は、できないことになっています。ただこの原則をかつて大きく覆したのが、ボーイング社のテスト・パイロットによるバレル・ロールです。なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
「ジェット旅客機では無理です」が模範解答
ときどき筆者(種山雅夫、元航空科学博物館展示部長 学芸員)は「ジャンボ・ジェットは宙返りできるんですか?」「ジェット旅客機は戦闘機のようなアクロバット飛行はできるんですか?」というご質問をいただくことがあります。
この答えは、単純に言えば「できません」となるのですが、もしかすると「できないことになっています」という方が正確なのかもしれません。
航空機は、設計の段階でどのような用途に使用するかということを前提に、スペックを決定していきます。空中へ安全に浮かび上がるには、どれほどの機体重量(乗客、貨物なども含む)にできるかをはじめ、寸法、速度、搭載エンジンなどを検討していくわけです。
用途を踏まえ、どこまでの機動性が必要か判断し強度設計に反映しますが、この段階において、一部を除く軽飛行機やジェット旅客機などの場合、上昇、旋回、降下などの基本的な機動以外は想定しません。これは、必要以上の機動を想定すると、強度をもっと上げる必要があり、重量がかさむためです。
では、実際にジェット旅客機がアクロバティット飛行をしたことはないのか?というと、実はあります。
その最たる例が、1955(昭和30)年にボーイング707の原型機である「ダッシュ・エイティ」こと367-80が行った、宙返り飛行です。もちろんこれは故障などではなく、意図的なものです。
1955年8月7日、ボーイング社のシアトル工場近くにあるワシントン湖で、ゴールド・カップ水上機レースが開催され、ボーイング社でもブースを出して招待客を集めていました。レースの前には、「ダッシュ・エイティ」のフライパス(会場上空でのデモンストレーション飛行)が実施されました。
同機を操縦したのは、ボーイング社のテスト・パイロットであるアルヴィン・ジョンストン機長。なんとここで、機体を裏返しさせ、戦闘機でおなじみ「バレル・ロール」を観客の目の前で披露し、機体の性能をアピールしたのです。
できない事はないが、やる必要は全くない。
なぜか日本刀をANA機内に持ち込めてしまい、飛行機を乗っ取り乗組員に宙返りを要求した野郎がいた。どんな保安検査なのかと思ったものだが、通路を逆行して同じことができてしまう空港はまだ残っているのだろうか!
バレルロールは螺旋形のロールであって宙返りではありませんけどね。
バレルロールとループの区別がつかないライターなんでしょう