新・ANAどう変わる? 新社長に「大阪で人気」井上氏 ファンの思い叶う会社に進化?のワケ

井上流ANA、どうなる?

「(社長就任は)大命に身の引き締まる思い」と話すANAの井上慎一新社長が「1丁目1番地で、お客様との最大のお約束」とするのは「安全、定時性」。「妥協なく愚直なまでに取り組んでいきたい」といいます。そのうえで「一日も早い黒字化を目指す」とし、「お客様に常に選ばれるエアラインであることが重要です。お客様の本質的な欲求を把握し、サービスに反映していきたいと思います」と話します。

 なお、もうひとつの黒字化のキーとして井上氏は「社員が頑張ってこそ会社。社員とのエンゲージメントでモチベーションを上げ、優れた社員を活かす場をつくっていければ」とも。「社員、その家族を幸せにする責務を負っています」と強調します。

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左が井上慎一新社長。右が平子裕志現社長(2022年2月14日、乗りものニュース編集部撮影)。

 その井上氏がピーチCEO時代から実施していたのが、空港や現場での利用者とのインタビュー(対話)。

「いまの時代はお客様のインサイト(意向)がすぐ変わるので、コールドデータが通用しなくなってきています。だからこそ、直接インタビューでご意見を伺うと、何がお客様に刺さっているのか――といったことが、意外なところも含めて分かることがあるのです。それを活かしながら、先手先手で打ち手を繰り出していければと考えています。まずは直接、空港へ行って聞いてみようじゃないか!といった思いですし、これからもインタビューは継続していければと考えています」(井上氏)

 同社の名物企画である、総2階建ての超大型旅客機エアバスA380を用いた遊覧チャーターなどは、「誰も考えたことがなかった」(井上氏)ものの、こういった活動を経て利用者からの意見を反映したことがきっかけです。「この2年間、ファンはありがたいとあらためて認識しました。ピンチにお助けいただいているファンの方々をもっと大事に、もっとコミュニケーションをとっていきたい」(同氏)と話します。

「――ANAは、努力と挑戦をする集団として、かつて”野武士集団”と呼ばれたことがあります。いまこそ原点にかえって、努力と挑戦をする集団として、一丸となり困難に立ち向かっていくことが重要です」(井上社長)。

【了】

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