あさま山荘事件の“盾” 非ハリボテ装甲車の考え抜かれた形 警視庁「特型警備車」誕生秘話
2000年代まで「vs立てこもり」に使われていた
警察に詳しいカメラマンの話によると、特型警備車を使用していたのは、警視庁と大阪府警以外に、北海道警、栃木県警、千葉県警、静岡県警、愛知県警、熊本県警などだそう。ただ、栃木や静岡、熊本などの地方警察は警視庁などで使っていた“お古”が回ってくる形だったとのことでした。
2000年以降は、車体の老朽化もさることながら排ガス規制や保守部品の枯渇などから徐々に姿を消していき、栃木県警に配備されていた最後の車体も2010(平成22)年頃に退役しています。なお、2004(平成16)年に栃木県宇都宮市で起きた銃所持者による立てこもり事件に出動したのが、おそらく最後の出動だろうと前出のカメラマンが話してくれました。
一説によると、登場当初は日本警察にこんなものはいらないと「無用の長物」扱いまでされたといいます。しかし東大安田講堂事件を教訓にして、いち早く開発したからこそ、あさま山荘事件に間に合ったともいえるでしょう。
その後も様々な事件で機動隊員らの盾として重用された特型警備車。車両自体は残っていないものの、栃木県警察本部の広報室には往年の歴史を伝えるため、ドア部分のみが保存・展示されています。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
各種の映画やアニメにも警察車両として登場したりしてますね。
配色もねずみ色だけでなく白黒のツートンカラーだったりと見栄え良い配色だったりしてます。
佐々淳行の「危機管理のノウハウ」という本は、面白いし役に立つ。