懐かしの「アンカレッジ経由」まさかの復活? 航空ファン伝説の地 いま世界が再注目のワケ

アンカレッジ空港どんなとこ? なぜいま注目?

 当初アンカレッジ国際空港と呼ばれた場所は、オールド航空ファンが知る「テッド・スティーブンス空港」とは別のところにありました。1930年に開設された旧アンカレッジ空港は、アンカレッジ近郊の湖に隣接する小さな空港で、かつては、リーブ・アリューシャン航空がDC-3を使用してチャーター飛行などを実施していました。この飛行場は現在、600m、800m、1200mと3本の滑走路と持つメリル空港として、自家用機がおもに使用しています。東京でいえば、羽田空港に対する調布飛行場のようなイメージでしょう。

 現アンカレッジ国際空港は、1951(昭和26)年に建設。アンカレッジ郊外にあり、2500mと1500mの滑走路を備え、1953(昭和28)年にターミナル・ビルがオープンしました。同空港ではアラスカ航空やリーブ・アリューシャン航空が路線を開設し、ノースウエスト航空も使用していました。

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アンカレッジ国際空港のウェルカムサイン(写真出典:americanspirit/123RF)。

 そして、「アンカレッジ経由」の増加にともない、1980(昭和55)年には3本目の3000m滑走路を新設し、需要に対応することとなりました。このころ、日本発着便が集まる時間帯には、日本国内の空港と見間違うほど、ターミナルビル内が日本人だらけになるときもあり、ビル内には名物の立ち食いそば・うどん屋も開店。現在は残念ながら閉店してしまったそうですが、古くからの航空ファンには語り草となっていたお店です。

 このように、かつては日本から欧米へ向かう際も、経由地として栄えたアンカレッジですが、冒頭のとおり2022年は「注目の地」となりそうです。

 ひとつ目の理由はアラスカを本拠・そして経由地としボーイング757で日米を結ぶLCC(格安航空会社)「ノーザンパシフィックエアウェイズ」の登場です。立ち上げに向け準備が進んでおり、最速2022年の就航を計画していること。同社が就航すれば、アンカレッジが目的地にも経由地にもなります。

 そして、もうひとつは3月現在、世界を混乱に陥れているロシアの軍事行動です。欧米との対立の結果、現在ロシアは欧米などの航空会社に対し「シベリアルート」領空に飛行制限を設けました。日本の航空会社はまだシベリアルートを飛ぶことができますが、海外ではすでに、航空会社から利用検討の問い合わせが同空港に入っているという報道も。この意味でも、今後場合によっては「アンカレッジ経由」が復活するかもしれません。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 初めて乗った1986年9月の欧州便は、モスクワ経由だったけど、これは経由便だからシベリアルートとは異なるのでしょうか?