JALとANAの「ロシア上空迂回ルート」なぜ異なる? JALは「とりあえず北から」、ANAは南へ
ロシアによるウクライナの軍事侵攻を踏まえ、JALとANAが、ロシア上空を通過するヨーロッパ線において、同国上空を避ける迂回ルートの設定を開始。ただ両社でルート選定に差があります。なぜでしょうか。
JALは北回り、ANAは南回り
ロシアによるウクライナの軍事侵攻を踏まえ、JAL(日本航空)とANA(全日空)が、ロシア上空を通過するヨーロッパ線において、同国上空を避ける迂回ルートの設定を開始しています。
JALは2022年3月4日(金)より、羽田~ロンドン線でロシア上空を通過せず、アラスカ・グリーンランド・アイスランドを通る「北回り」で運航します。羽田~パリ・ヘルシンキ線では、欠航も視野にいれつつ、1週間程度のスパンで都度、運航方針を決めるといいます。
北回りルートは、JALと協業関係にあるアライアンス(航空連合)の乗り継ぎに適しているロンドン・ヒースロー空港に最短距離で運航できる経路であるほか、過去にこの北回りルートで欧州線を運航していた実績があり、安全に飛行できると判断したとのこと。なお、今回は直行便となり、従来より往路(成田発)が2~3時間、復路(欧州発)が4時間程度、それぞれ飛行時間が伸びる見込みです。
一方でANAは、3月4日から成田~ブリュッセル便や羽田~フランクフルト便などを中央アジア上空を通過する「南回りルート(中央アジアルート)」で運航を開始。こちらも飛行時間が往路が3時間30分、復路が2時間飛行時間が伸びる見込みです。
ANAの平子裕志社長は2日時点ですでに、報道陣に対し迂回ルートを採用する可能性を示唆しており、「南回りが一番有力です」とコメント。今回の発表も、それに準じたものとなりました。
コメント