3都県縦断の超ロングランナー「都営車」まもなく引退 都営浅草線5300形 意外な乗り入れ先も

都営浅草線の5300形電車がまもなく営業運転を終了する予定です。主力車両として浅草線内だけでなく、直通先の京急線や京成線などへも入線するロングランナーでした。この5300形、どのような経緯で登場したのでしょうか。

全27編成更新完了に

 都営浅草線の5300形電車がまもなく見られなくなりそうです。

 5300形は1991(平成3)年3月31日に営業運転を開始。北総・公団線(現・北総鉄道)との相互直通運転開始に伴う輸送力増強と、老朽化した5000形電車の置き換えを目的としていました。浅草線では最初から冷房装置を搭載し、制御装置にVVVFインバータ方式を採用しました。

 1998(平成10)年にかけて8両編成27本(216両)が製造されましたが、1994(平成6)年度製からは前面下部のスカートが大きくなるなどの違いがあります。

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都営浅草線の5300形電車。写真は最後の1本となった5320編成(画像:写真AC)。

 当初は、車内のドア上にLEDの文字式と、その反対側に「地図式」の案内表示器を設置していました。「地図式」は浅草線内で次に停車する駅を点灯表示するとともに、直通先の駅名や乗り換え案内を掲載するものでしたが、列車種別が増えたことなどにより撤去して通常の路線図を掲示しています。

 現在の走行区間は浅草線だけでなく、南は京急久里浜駅、北は京成の成田空港駅や北総線の印旛日本医大駅まで入線。かつてはさらに、京急の三崎口駅や京成上野駅、芝山鉄道の芝山千代田駅まで入るなど、幅広い運用をこなした車両でした。

 2018(平成30)年に浅草線の新型車両5500形電車が登場したことで、5300形は順次廃車が進行し、2022年3月8日現在で5300形は5320編成の1本が残るのみとなっています。

 すでに新型車両の5500形は、5300形の製造本数と同じ8両編成27本が導入されており、「『東京都交通局経営計画2019』令和2年度進捗状況」においても、浅草線の車両更新は令和3年度の5編成で「全27編成更新完了」と記載しています。このため、5300形は2022年3月中に営業運転を終了する見込みです。

 ちなみに、東京都交通局でVVVFインバータ方式を採用したのは都営12号線(現・都営大江戸線)の12-000形試作車・量産車のほうが先ですが、営業運転では浅草線の5300形が8か月ほど先んじています。

【了】

【写真】スカート違いの5300形をサッと見る

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コメント

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1件のコメント

  1. 芝山千代田への定期運用は過去一度も設定されたことが無いですよ。

    それは京成時刻表や東京時刻表等の市販時刻表からも明らかです。