「やられメカ」の悪夢再び ロシア戦車T-72がウクライナにやられまくっているワケ

新型はあるけど… 「やられメカ」多く残るワケ

 イラク陸軍のT-72はソ連陸軍のT-72よりも意図的に性能が落とされた、いわゆる「モンキーモデル」であり、またイラク陸軍の戦術も決して巧みとは言えませんでした。それを考慮しても、M1A1とチャレンジャー1に敗北した湾岸戦争で定着した「やられメカ」のイメージはあまりにも強く、その後T-72は輸出もふるわなくなってしまいました。

 現在も兵器はロシアにとって重要な輸出品ですが、経済が混乱を極めていた1990年代前半のロシアにとっては特に、主力戦車であるT-72のイメージ悪化と、それに伴う輸出の不振は、看過できるものではありませんでした。このためロシアはT-72の攻撃力、防御力、機動力を大幅に強化したT-90戦車を開発することとなりました。

 T-90は高性能のわりに価格が安いことから、輸出市場で成功をおさめ、インドでのライセンス生産分も含めれば、3000両以上の発注を獲得しています。T-90は輸出を前提に開発された戦車ですが、ロシア陸軍も400両近くを導入しています。

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ロシア軍も配備するT-90戦車。防衛装備展示会「IDEX2015」(於アブダビ)にて(竹内 修撮影)。

 ただ、ロシア陸軍はT-90の調達よりも、T-72のT-72B3Mへの改修を優先しました。T-72B3Mは既存のT-72の能力を極力T-90に近づけるというコンセプトに基づいた戦車で、既存のT-72戦車を活用できたためです。

 こうしてロシア陸軍が大きな期待をかけたT-72B3Mは、冒頭で述べたように、現時点で損害の大きさが際立つ結果となっています。

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コメント

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8件のコメント

  1. タイトルの概要がT73B3Mになっている。
    修正した方がいいと思います。
    T72B3Mではないですか?
    記事の誤字は気を付けて下さい。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  2. どこぞの程度の低い掲示板並みの酷い題名だ。

  3. 楽しそうだな 

    人が死んでるんだぜ

  4. ロシア自慢のAPSやERAは何をしてるんでしょう(-_-;)

  5. ww2の末期、ドイツは少年兵や、老年兵でも簡単に操作できるパンツァーファウストを開発し、押し寄せるソ連軍の戦車軍団に大損害を与え続けた。また、スツーカも37㎜砲を装備して上空から襲い掛かり、多くのソ連軍戦車を撃破した。その歴史上の戦訓が、いまのウクライナで繰り返されていると思う。この時代と決定的に違うのは、ドイツが孤立無援だったのに対して、ウクライナには、全NATO諸国からの、分厚い軍事援助が届いているからだろう。ロシア軍の戦車軍団は、絶対に勝つことはできない。この戦争では、、、何故なら、大義名分が無いからだ。

  6. ジャベリンありがとうね!

  7. ロシアの軍需産業の改革も碌に進んでいない状況で、クリミアを併合したり、ウクライナに侵攻したり、プーチンは、既に耄碌したのだろう。単純にクリミアを併合せずに、ウクライナと経済協力を結んで、経済支援をすれば、ほっといても、元々貧しいウクライナをロシア側に引き留めておくことはそれ程難しくはなかった。クリミアを併合した時点で、プーチンの思惑は、崩壊したと言ってよい。領土をかすめ取るような相手は、当たり前に警戒される。他の親ロシアの国でさえ、離れるだろう。
    イタ車については、他国の部品に頼らずに自国で生産が可能なようになっておかなければ、軍需産業の近代化は、出来ていないと言うのと同じで、その状態で戦争に入れば、装備している戦車は、近代的兵器の前ではただの標的になる。全ては、プーチンが耄碌したのが原因と言える。