ウクライナ侵攻で露軍に破壊「世界最大の飛行機」の惨状明らかに An-225「ムリヤ」のいま
エイプリルフールであってほしかった。
ロ軍はゴストメル飛行場から撤退か
ウクライナのアントノフ設計局が手掛けた(製造時はソ連)世界最大の飛行機、アントノフAn-225「ムリヤ」。世界に1機のみのこの機は2022年2月末、ロシアによる軍事侵攻によって、首都キーウ(キエフ)近郊のゴストメル飛行場で破壊されました。戦争により大きく損傷したAn-225の姿が、ウクライナ・戦略コミュニケーションセンターの公式SNSやメディアなどにより、2022年4月に相次いで明らかになっています。
アメリカのメディア、CNNは、アメリカ国防省関係者のコメントや衛星画像から、ロシア軍は3月末にゴストメル飛行場から撤退したとしています。その後同飛行場には、An-225のチーフ・パイロットを務めるドミトリー・アントノフ氏なども駆けつけているようです。
写真では、左主翼と機首部分などは原型が残るものの、コックピット部分や胴体中央部は焼失した姿が確認でき、それを見た世界中の航空ファンなどから、悲しみのコメントが上がっています。
An-225「ムリヤ」は全長84m、全幅88.74mで、最大離陸重量は”世界最大”となる640tでした。また、片翼に3発ずつ計6発搭載したエンジン、32個の車輪をもつムカデのような脚など独特の形状を持ち、日本では”怪鳥”とも例えられました。同機は当初、ソ連版スペースシャトル「ブラン」を胴体の上に積んで空輸する目的で開発されたものの、紆余曲折を経て、破壊される直前までアントノフ航空で貨物機として運用され、その巨体が生かされてきました。
なお、政府の公式Twitterは2月末時点で「An-225はホストメル基地でロシア軍に破壊された」という投稿とともに、「私たちはこの機を復活させる」とコメント。この機の未来がどのようになるのかが注目されるところです。
【了】
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