戦車などはどのように身を隠すの? いまなお大事な「古典的」カモフラージュの技術

周囲に溶け込み敵に悟られないようにする光学的カモフラージュは、各種センサーが発達したいまとなっては古典的な技術といえるでしょう。ところが昨今の変わりゆく戦争のなかで、再び重要性が増すことになる…かもしれません。

自分の戦車がわからない!? レベルお高めな陸自のカモフラージュ

 カモフラージュは習得に錬成訓練が必要な技術で、自衛隊の植生を使ったカモフラージュはレベルが高いといわれます。くだんの広報官氏は、戦車乗員になりたてだった新人のころ、自車の潜伏場所から隊本部に連絡に出かけ帰ろうとした際、カモフラージュで隠した自分の戦車の位置が分からなくなり迷子になったという失敗談を話してくれました。

Large 20220412 01
何がカモフラージュされているのかもわからない例。左側と同じ軽装甲機動車だと思われる(画像:2018年1月12日、月刊PANZER編集部撮影)。

 21世紀はハイテク戦争の時代であり、植生をちまちま貼り付けるカモフラージュは、目で見る光学観測はごまかせても、サーマルセンサー(熱を感知して画像化する)などのセンサーにはそれほど効果はなく、時代遅れに見えるかもしれません。

 しかしウクライナにおける戦況は、古臭い基本的なカモフラージュが重要であることを再認識させてくれます。部隊に充分なサーマルセンサーが充当されているわけではなく、光学的カモフラージュをするだけでも安価なドローンのカメラ程度ならごまかせる確率は高くなります。投稿の映像をみると、ロシア軍における対空警戒のカモフラージュはかなり稚拙な印象で、「いつも空から見られていること」を意識しているのか疑問を感じます。練度不足なのでしょうか。

Large 20220412 02
カモフラージュして林内に入った映画撮影用プロップの九五式軽戦車。適切な植生使用の効果が分かる(画像:2017年11月12日、月刊PANZER編集部撮影)。

 ドローンのような新兵器が投入される現代戦ですが、かえって古典的な戦法が必要なことを再確認させられることも多いです。時代はどちらに進んでいるのでしょうか。

【了】

これでもわかりやすいほう…こちらに砲を向けるカモフラージュした戦車

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  5. ロシア海軍の潜水艦に「異変」! 衛星画像の分析で明らかに 船体に“巨大な傘”を設置か イギリス国防省が指摘
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開