戦艦「大和」&軽巡「矢矧」の最期に立会 米海軍飛行艇PBM「マリナー」は何をしていたのか

日本が造った世界最大の戦艦「大和」。同艦は太平洋戦争末期、鹿児島県沖で沈みましたが、その一部始終の「目撃者」となったのが2機のアメリカ軍飛行艇でした。戦艦「大和」の最期を見届けたこの飛行艇の概要に迫ります。

外観の特徴は「ガルウイング」

 胴体は、内部容積を稼ぐためイギリスのショート・サンダーランドや日本の二式飛行艇(二式大艇)のように、全高が高めに設計されました。なお主翼は、離着水時に波浪がエンジンにかかるのを極力減らすことを狙い、胴体から斜め上向きに取り付けられ、途中から水平になっている、いわゆる「ガル翼(ガルウイング)」形状のものが採用されていました。また、尾翼は双垂直尾翼とされました。

 兵装は、胴体とエンジンナセルの間の左右の内翼部分に、懸吊する形で魚雷を1本ずつ計2本搭載。また、左右のエンジンナセル内部が爆弾倉になっており、ここには爆弾や増加燃料タンクなどを最大5.8t収納することができました。さらに、大戦中期に「フィドー(FIDO)」とも呼ばれるMk.24対潜誘導魚雷が開発されると、その運用能力も付与されています。

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アメリカ海軍のPBM「マリナー」飛行艇。ほぼ正面からのため、ガル翼形状がよくわかる(画像:アメリカ海軍)。

 防御火力は徐々に強化され、最終的には機首、胴体中央上部、機尾にそれぞれ12.7mm重機関銃を備えた連装動力旋回銃座を1基ずつ備えたほか、胴体の左右両側面に単装の12.7mm重機関銃を1挺ずつ装備していました。

 ほかにも、洋上の捜索・監視用として航空探照灯を装備したほか、水上監視用レーダーや潜水艦捜索用の磁気探知機、ソノブイ、ECM(電子戦)機器など、当時最新の電測兵器類も順次搭載されています。

 XPBM-1は1939(昭和14)年2月18日に初飛行し、PBM「マリナー」として制式化されます。そして太平洋戦争勃発前の1940(昭和15)年9月から、部隊への配備が開始されました。

 特に太平洋戦域では、アメリカ軍が対日反攻作戦を展開するようになると、「マリナー」を装備する飛行艇哨戒爆撃中隊は、支援船である飛行艇母艦を洋上の拠点として用いることで、占領直後の島嶼の湾や環礁、水道などの静海面に素早く進出し、前進基地をいち早く開設。哨戒飛行の範囲を逐次前線へと延ばしていくという作戦運用を実施しています。

 一方、島嶼も敵艦も少ない大西洋方面では、ドイツ海軍潜水艦を狙った、いわゆる「Uボート狩り」に多用されました。

【写真】洋上の前進拠点、飛行艇母艦を使った運用の様子ほか

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