戦艦「大和」&軽巡「矢矧」の最期に立会 米海軍飛行艇PBM「マリナー」は何をしていたのか

日本が造った世界最大の戦艦「大和」。同艦は太平洋戦争末期、鹿児島県沖で沈みましたが、その一部始終の「目撃者」となったのが2機のアメリカ軍飛行艇でした。戦艦「大和」の最期を見届けたこの飛行艇の概要に迫ります。

旧海軍の駆逐艦「冬月」ともニアミス

 1945(昭和20)年4月7日の坊ノ岬沖海戦で戦艦「大和」の最期を見届けた「マリナー」飛行艇は、沖縄本島南西部の沖合に位置する慶良間諸島から飛んできた機体でした。

 慶良間諸島の阿嘉水道にはアメリカ海軍の飛行艇母艦「シャンデルーア」が投錨しており、これにより、同水道が飛行艇の前進基地となっていました。

 同艦にはアメリカ海軍の第41飛行艇哨戒爆撃中隊(当時)が本部を構え、そこの所属機、コールサイン「ドッグ・エイト」と「ドッグ・テン」の2機が、戦艦「大和」以下旧海軍の第1遊撃部隊の動きを逐一監視していたのです。

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飛行するアメリカ海軍のPBM「マリナー」飛行艇(画像:アメリカ海軍)。

 両機は第1遊撃部隊を発見した当初、「大和」の46cm主砲による対空射撃を受けましたが、その後は、味方の艦上機群による攻撃を終始観察し続け、戦いが佳境に入った頃には、日本側の対空射撃によって撃墜され水面にパラシュート降下した味方、TBM/TBF「アヴェンジャー」艦上攻撃機のパイロット救助にも成功しています。なお、このとき着水・救出にあたった「ドッグ・テン」には、旧日本海軍の駆逐艦「冬月」から射撃が加えられています。

 かくして、世界最大の戦艦「大和」最期の目撃者となったPBM「マリナー」は、戦後もアメリカ海軍や同沿岸警備隊などで1956(昭和31)年まで運用が続けられました。総生産機数は1366機(異説あり)。

 なお、同機はイギリスやオーストラリアなどにも供与されたほか、戦後はオランダやアルゼンチン、ウルグアイなどでも運用され、ウルグアイ海軍では、1964(昭和39)年2月まで現役でした。

【了】

【写真】洋上の前進拠点、飛行艇母艦を使った運用の様子ほか

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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