3年ぶり開催 陸自第12旅団・相馬原駐屯地記念行事 全身黒タイツの隊員がなりきったものは?
40年前の対戦車ミサイル、遂に退役
今回の第12旅団の創立記念行事において特筆すべきなのが、第12対戦車中隊の79式対舟艇対戦車誘導弾でしょう。
79式対舟艇対戦車誘導弾は1979(昭和54)年に制式化された国産の対戦車ミサイルで、最盛期には全国各地の師団や普通科連隊などに配備されていたものの、陳腐化したことなどにより順次姿を消し、人力設置式のものは第12対戦車中隊のみになっていました。
北海道と静岡に所在する部隊では、いまだ89式装甲戦闘車に搭載されたタイプがあるものの、三脚タイプのものは第12対戦車中隊が最後であり、2022年度末で同隊が廃止されるとともに姿を消す予定です。
記念行事の操法展示では、来賓や旅団長らが見守るなか、隊員5人が息の合ったチームワークで1/2tトラックの荷台から各種装置を降ろし、手際よく地上に据え付け、射撃姿勢を展示していました。
また操法展示では実弾の発射ができないため、隊員のひとりがミサイルになりきり、的に向けて飛翔するといったパフォーマンスも披露していました。
第12旅団広報室の説明によると、部隊廃止により、現在、第12対戦車中隊に所属する隊員は配置転換などでほかの部隊に移る予定だといいます。なお、もうひとつの廃止部隊である第12特科隊は、新たに誕生する東部方面特科連隊の母体になるとのことで、そのため第12旅団隷下から姿を消すだけで、人員や装備、所在地(宇都宮駐屯地)などはほぼ変わらず、新部隊に引き継がれるということです。
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